この先の10年を見据え
今取り組むべき企業変革とは?

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コラム第19回メインビジュアル

2007年に発売を開始した「FUJIFILM WORKFLOW XMF」は、2010年にWebポータル「XMF Remote」をラインアップに加え「経営改革につながる統合管理システム」へと進化し、おかげさまで本年「XMF Remote発売10周年」を迎えます。その記念企画として、「XMF Remote」を最初にご採用くださった(株)アサプリホールディングスの代表取締役社長 松岡祐司氏に、富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ(FFGS)常務執行役員の中森がお話を伺いました。


日本の商習慣に合わせ
進化していくシステムを

中森 本日は「XMF Remote」発売10周年特別企画ということで、いろいろお話を伺っていきたいと思います。
「XMF Remote」は2009年の「JGAS」展に参考出品しました。今では国内で約200社の印刷会社様が、またクライアント企業まで含めると数万社が、印刷物制作のために「XMF Remote」を活用してくださっているという状況ですが、その第一歩は、国内で初めてご導入いただいたアサプリさんから始まったわけです。当時はどんな課題をお持ちだったのでしょうか?

株式会社アサプリホールディングス代表取締役社長 松岡祐司松岡 当時のアサプリグループは、アサプリ、プリンター、オリエンタルという印刷会社とホールディング会社の4社で構成されていたのですが、リーマンショックが終わった後、売上も利益もなかなか上向かない状況が続き、「このままではいけない、付加価値重視の戦略に変えていこう」と考え始めた時期でした。ただし当時は、その目的のために投資したい設備が見当たらず、次の一手が分かりにくい状況でした。そんなとき、海外メーカーのリモート校正のデモを見て「これだ」とひらめいたのです。

中森 ちょうどそのころ富士フイルムも「XMF Remote」の販売を開始して、FFGSが、「Celebrant RIP」からの置き換えを提案させていただいたわけですが、当初、「XMF Remote」はその他社システムに比べ機能的にやや遅れていた中で、アサプリさんは真っ先に導入を決めてくださいました。今振り返ってみて、なぜ「XMF」を選択されたのでしょうか。

株式会社アサプリホールディングス代表取締役社長 松岡祐司松岡 期待値の大きさですね。何しろ国内で初めて開発されたリモート校正のWebポータルシステムなのですから、スタートから完全を求めず、まずは当社で活用しながら、日本の商習慣に最適なシステムへと、一緒に育てていってほしいと思ったのです。その結果、現在では、現場のニーズに即した非常に使いやすいシステムに進化しています。期待どおり、というより期待以上に。これも、富士フイルムさんが常にわれわれユーザーの目線で地道に開発を続けてくれたおかげだと感謝しています。

中森 営業の第一線に立って会社を引っ張っていた松岡社長からのアドバイスを直接いただけたのは、われわれにとって本当に幸運でした。

社内はもちろんグループ内の
インフラとしても重要な役割

中森 「XMF Remote」の具体的な活用や導入効果についてお話しいただけますか?

松岡 まずは、制作工程の効率化ツールとしての活用ですね。校正ミスが大きな事故につながったことがあり、導入後すぐに、すべての仕事を初校から、「XMF Remote」経由のRIP済みデータで運用するよう徹底しました。社内制作はもちろん、外注制作の工程も含め、リアルタイムで進捗状況が「見える化」できたのが大きかったですね。これをきっかけに「時間当たり採算制度」を導入して社員の意識改革につなげることができましたし、M&Aにより情報産業での連邦・多角化経営を推進していくための足固めにもなりました。

中森 多角化経営ということは、グループ企業同士の連携もポイントになってくるのではないですか。

株式会社アサプリホールディングス代表取締役社長 松岡祐司松岡 「XMF Remote」は、グループ内のインフラとしても重要な役割を果たしています。当社では、グループ各拠点に富士ゼロックスの「DocuColor 1450 GA」を配置し、「XMF ColorPath」でカラーマッチングを行うことでリモートプルーフ環境も整えています。

中森 経営者の視点で、どんなメリットを実感なさっていますか?

松岡 リアルタイムで制作者とWeb校正ができるなど、お客さまとのコミュニケーションツールとして有効活用できており、お客さまの満足度が確実に高まっています。修正内容のトレーサビリティが取れることでトラブルが減り、実効的なコーポレートガバナンスの実現につながっていることも、上場企業のお客さまから大好評です。
また社内的には、営業スタイルが変革できたことで営業が本来の仕事に集中でき、残業や休日出勤の削減につながっています。いわゆる「働き方改革」ですね。グループ全体で見ると、すべてのJOBを見える化できたことで、グループ内の人材と設備を有効活用できるようになって無駄な外注が減り、設備の稼働率が確実にアップしました。

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