「page2022」特別版
オフセットとデジタルをもっと効率的に! Vol.3
最適生産を支えるワークフローとは

記事をシェアする

デジタルプレス活用vol3コラムMV

これまでFG Platzでは、プレス工程の観点から、オフセットとデジタルプレスの生産環境の最適化が重要であるとお伝えしてきました(第一回第二回)。今回は、ワークフローに焦点を当て、オフセットとデジタルプレスの最適な生産環境の実現について、「page2022」の展示内容からご紹介いたします。
「page2022」の展示内容はこちらをチェック!
(クリックすると、記事内の該当場所にジャンプします。)

オフセットとデジタルプレスの「ハイブリッドワークフロー運用」では、柔軟性のある生産計画を元に、受注品目に求められるQCD(※)に応じて、生産振り分けを行う機動力が求められます。

※Quality(品質)、Cost(コスト)、Delivery(納期)。

今回は、ハイブリッドワークフローで実現する4つのQCD改善方法について、解説します。

①印刷予定直前での変更対応:納期(D)を改善
②タイムリーな印刷部品生産:納期(D)を改善
③グルーピング&ギャンギングの運用ハードルを下げる:品質(Q)、コスト(C)を改善
④定型ジョブの完全自動化:コスト(C)、納期(D)を改善


①印刷予定直前での変更対応

「オフセット1号機に急きょ、メンテナンスが必要になった。」
「オフセット2号機の印刷立ち合いが長引きそうだ。」
→「今日印刷を予定している、残りのジョブをデジタル機も含めて再割り当てしたい。」

特定のデバイスを除外した、最適な出力デバイスの選定と、そのデバイスに適した面付けなどのデータ修正を速やかに行えること、さらに、変更したデバイス情報をMIS(※)へフィードバックすることが重要です。

※management information systemの略。企業における、情報の集中管理システムのこと。

ソフトウエア「PHOENIX(フェニックス)」画面画像

ジョブプランニング&面付けソフトウエア「PHOENIX(フェニックス)」画面。
最適なデバイスを選定し、同時に面付けまでを行う


②タイムリーな印刷部品生産

「現場が加工前の印刷部品であふれている。」
「ジョブAの製本作業に必要な印刷部品を探すのにも苦労する。」

例えば、本文は余裕を持ってオフセットで、カバーや帯、ハガキ・パンフレットなどは、製本作業の前日に瞬発力のあるデジタル機で出力することで、印刷部品の保管を最小限にできます。繁忙期などで保管ルールを守れない場合などにおいては、印刷部品を探す時間や見つからずに刷り直す時間は、納期(D)を圧迫します。さらに、こういった時間をオフセットの付帯時間として考慮せず、損益分岐点を決めている場合、デジタルで印刷してすぐに加工した方がよいというケースもあります。

③グルーピング&ギャンギングの運用ハードルを下げる

「ギャンギングできる同仕様のジョブが少ない。」

印刷通販などで日常的に使われている「ギャンギング」は、商業印刷においてもデジタルプレスの活用効率を上げる手法として有効です。すでに取り組まれている方も、ギャンギング対象のジョブを同一顧客ジョブだけに絞っていませんか? まずは計画的なグルーピング(同一顧客にこだわらず、紙種、納期、サイズ、後加工など)をMISで実施し、グループ情報を元に、最適なデバイス、面付けのシミュレーションを行うことで、さらなる効率化を図れます。

■同一顧客に絞らないギャンギングは「後加工以降の工程でミスが起きそう」?
後加工以降の取り扱いについて、取り違えなどの不安がある場合は、品目、プロダクトごとに固有のQRコードの付いたカバーシートを出力し一緒に断裁することで、断裁後の仕分けミスを防ぐ方法も有効です。


④定型ジョブの完全自動化

「定型物やリピートオーダーのジョブには、人手をかけたくない。」

テンプレート化による効率化は、プリプレス部門が扱うソフトウエアとしては一般的ですが、受注・製造仕様に応じた条件分岐処理や、入稿PDFのプレフライトで、さらに進んだ自動化への取り組みも広がっています。

■若草印刷様「PHOENIX」導入事例
 「Switch」+「PHOENIX」によって刷版部門の大幅な省力化を実現

「面付け指示、出力指示などはすべてMIS上で行えるので、実際に動かしてみると非常にシンプルです。オペレーターも最初は不安そうでしたが、運用を始めると、『作業が思った以上に楽になった』と驚いていました。」
→事例記事はこちらから

FFGSでは、これらの内容を「Switch」+「PHOENIX」でのソリューションでご提案しています。

【関連動画】『経営変革セミナー2020』での解説動画(抜粋版)

動画のフル版はこちらからご確認いただけます

印刷ビジネスを持続的に成長させるには ―page2022出展内容―

FFGSでは、生産環境最適化による「生産改革」とお客さま個々の強みを生かした「成長戦略」の両輪を回すことで、単なる生産工程の「デジタル化」ではない、持続的な企業成長を実現する「印刷DX」が実現できると考えています。

「page2022」のFFGSブーステーマは、「底力を上げる。印刷の未来が変わる。」
印刷会社がコロナ禍で経験した、急激に変化する市場環境下でも利益を確保し、成長を続けていくために、まず「FFGS独自の分析手法」を用いることで、“本質的な問題点”を明らかにします。次に、最適な生産環境を構築する「生産改革」を進めることで余力を創出します。そして、最適化により生まれる資産(人材・時間・設備)の余力を生かし、「成長戦略」に生かしていくという流れで、「page2022」の展示を行いました。

■FFGSブースの6つのコーナー
・「FFGS独自の分析手法」本質的な課題の顕在化を促す
 →「最適生産ソリューション」コーナー
・「生産改革」FFGSがご提供するソリューション群
 →「デジタルを活用した最適化」コーナー
 →「オフセットを中心としたソリューション」コーナー
 →「品質管理ソリューション」コーナー
・「成長戦略」生産改革によって創出した余力を企業の成長につなげる
 →「成長戦略支援」コーナー

今回は「デジタルを活用した最適化」コーナーから、「オフセットとデジタルプレスのハイブリッド生産ソリューション」についてご紹介しました。


■関連ページ
オフセットとデジタルをもっと効率的に!「最適生産環境の構築」とは
オフセットとデジタルをもっと効率的に! Vol. 2「利益を残せる生産基盤の構築」と「新たな価値の創出」
見積もりと生産設計の見直しで実現する「生産性向上」と「利益向上」
株式会社若草印刷様「大貼り面付け、刷版振り分けの自動化で現場の作業負荷を大幅軽減 生産工程の省力化で人材の能力を最大限に引き出す」
『経営変革セミナー2021 Winter』イベントレポート

記事をシェアする

コラム一覧へ戻る