デジタルプレス活用で
拡大するシール・ラベルの小ロット市場を獲得!

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コラム第48回MV

社会の状況が目まぐるしく変化する中、多様化する消費者ニーズに応えるため、製品・サービスのライフサイクルが短くなっています。そのため、製品パッケージの更新サイクルも短縮化しています。製品パッケージは、菓子袋などで活用される軟包装パッケージや、酒瓶や缶入りコーヒーなどに活用されるシール・ラベルがあります。今回は、シール・ラベル市場において小ロットに柔軟に対応する、デジタルプレスの活用について解説します。

軟包装パッケージ例

軟包装パッケージ例

シール・ラベル例

シール・ラベル例


コロナ禍で拡大する製品の極小ロット化

「コロナ禍の巣ごもり消費」の影響で、2020年における物販分野のEコマース市場規模は、大幅に拡大しました。この動きはEC進出を支援するサービスベンダーの存在もあり、年々拡大傾向にあります。このような消費行動の変化は、単なる一過性のものではなく、今後の産業構造の変化につながると考えられています。また、「コロナ禍支援」という形で2020年はふるさと納税の寄付額が過去最高となったとも報告されています。
このようにECサイトの市場拡大とともに、そこで扱われる食品や日用品などの極小ロット製品も広がっています。


シール・ラベルの活用シーンの多様化を支える「機能性」

シール・ラベルは多様なシーンで活用されるため、さまざまな「機能」を持つ基材が供給されています。
・低温環境(チルド、冷凍)対応ラベル【用途】 食品
 →改正食品衛生法のポジティブリストに収録されている原材料を使用した粘着剤。
  食品へ直接貼付も可能。
・極低温環境対応【用途】 試験管、アンプル瓶
 →液体窒素浸漬などの低温から常温まで、繰り返し温度変化を加えても剝がれにくい。
 →曲面追従性があり、試験管やアンプル瓶などの医療用の胴巻きとして活用。
・海上輸送用ラベル【用途】 輸送用ドラム缶
 →BS5609準拠で、海水中でも強い粘着力を発揮し、砂利でこすれても文字が消えにくい。
・油面用ラベル【用途】 鉄鋼、自動車部品、化粧品関連、食品関連
 →粘着剤が油を吸い取るため、油面にもしっかり貼付可能(脱脂工程不要)。

低温環境対応(食品)

低温環境対応(食品)

極低温環境対応

極低温環境対応

海上輸送用ドラム缶ラベル

海上輸送用ドラム缶ラベル


シール・ラベルに求められるSDGs対応

印刷業界でも多くの企業が取り組むSDGs対応ですが、シール・ラベル業界では特に重要視される傾向にあるようです。さまざまな種類の基材を用途によって使い分けるシール・ラベルでは、“環境対応性能を持つ素材か”という観点で基材選定を行ったり、製造途中で発生する「セパレータ」や「抜きカス」をリサイクルしたりする取り組みも進んでいます。
また、環境配慮の支持体を採用することで認証マークが付与できることも、製品供給者にとってはメリットだといえます。


デジタルプレスによるシール・ラベル製造で「環境対応×販促効果」

シール・ラベルの製造方法は、シール専業印刷会社において、樹脂凸版を起こし専用印刷機で製造する手法が主流です。この手法では、ロール紙印刷で大ロット受注が基本とされています。そこで、極小ロットに対応するために、デジタルプレス(インクジェット、トナー方式)による製造方法が新たに注目を集めています。
SDGs対応としても、デジタルプレスでは製造工程におけるCO2排出量の削減や、不要な在庫を持たないなどの効果があります。
金・銀などの特色に対応したトナー方式であれば、基材の選定と特色の活用により、販促効果が高い仕上がりを実現でき、販促価値の向上も図れます。

2021年11月19日実施「環境配慮・SDGsで攻める!ラベル・シール印刷トレンドセミナー」富士フイルムビジネスイノベーション株式会社 太田氏の講演より抜粋

2021年11月19日実施「環境配慮・SDGsで攻める!ラベル・シール印刷トレンドセミナー」
富士フイルムビジネスイノベーション株式会社 太田氏の講演より抜粋

「日本酒ラベル」

「日本酒ラベル」
光沢紙にCMYKを用いることで
さまざまなメタリック表現が可能に

「コーヒー豆パッケージラベル」

「コーヒー豆パッケージラベル」
ホワイトトナーはクラフト紙によく映え、幅広い表現が可能に

「アイスクリームパッケージラベル」

「アイスクリームパッケージラベル」
低温化で使用できるラベル。
CMYKとシルバー、ゴールドを配色し、高級感を演出

「冷凍食品の簡易ラベル」

「冷凍食品の簡易ラベル」
低温化で使用できるラベル。背景にゴールドを入れることで、イメージやテキストを引き立たせる

上記4点を含む、全9点のシール・ラベルサンプルのお申し込みはこちらから

クライアントへ提案できるアイテムを増やそうと考えられている印刷会社にとって、シール・ラベル製造だけでなく、幅広い活用ができるデジタルプレスを検討されるケースが多く、FFGSへのご相談件数が増えています。


シール・ラベル製造でデジタルプレスに求められること

シール・ラベル製造に適したデジタルプレスには、以下の要件が求められます。
 ①多様な基材への印字適正を持つこと
 ②生産機として十分な堅牢性・安定性を持つこと
 ③販促価値を高める多彩な表現ができること

FFGSは富士フイルムビジネスイノベーションのデジタルプレス(トナー方式)「Revoria Press™ PC1120」の提案機会が増えています。高画質Super EA-Ecoトナーにより基材密着性が高く、金・銀・クリアなどの特色による表現の自由度が高いことや、特に重要なのが、「インライン除電装置」がオプション搭載可能な点です。これまでトナー方式は基材が帯電することでスムーズに後加工工程に移れず、シール・ラベル製造に不向きとされてきました。今回搭載した「除電装置」では、プリントしながら除電するという画期的な仕組みを持つことで、シール・ラベルに対する製造適性を大幅に向上させました。

今注目されるシール・ラベル製造のデジタルプレス活用は、今後もその動きは広がりを見せると考えられています。

デジタル印刷機は、アナログ印刷機には、性能面で追い付いていないところなどもありますが、環境性能、スキルレスの面では、デジタル印刷機にアドバンテージがあり、そう遠くない未来には、デジタル印刷機が稼働する印刷工場が増えることでしょう。
(東海北陸シーリング印刷協同組合 理事長 大河内氏)

ご興味のあるお客さまは、ぜひFFGSまでお問い合わせください。


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リンテック株式会社

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