BMWを20年間売り続けた
伝説のコピーライターに学ぶ
DMは最強のマーケティングツール 第2回

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DMは物語で集客を考えていく

 マーケティングとして大成功しているものの原点。それは、キリスト教です。
 イエスが万人のために十字架に架けられたことなど、さまざまなドラマが新約聖書で語られ、文字が読めなかった人にも絵画という形で伝承され、信徒を増やしてきました。

 現在、マーケティング手法として重視されているのが、この物語性を持たせるということなのです。DMにおいては封筒で何を語り、中の封入物でどう訴求し、どうやって読み手の心を捉えて、お店へと足を運ばせるか。それを、一貫した物語にすることが重要です。

画像その②

 海外の補聴器メーカーの仕事で、高級住宅地にあるショップのコンサルティングを依頼されたことがあります。背景としては、TVショッピングなどの補聴器が1万円程度なのに対して、ここの補聴器は30万円前後という高級品で、その価格に見合った性能が伝わりにくいということがありました。
 その性能とは、利用者の聴力に合わせた精密な調整にあって、単に音を大きくするという補聴器とは一線を画し、自然な音が聞こえるというものです。
 まずはショップの方に市場について細かくヒアリングしたのですが、この近辺では高級車オーナーが多いことが分かりました。そこで、ターゲット特性として考えたのが、「よいモノにはお金をかける」「よいモノを選ぶ見識がある」という人物像です。
 そのショップが眼鏡店を併設していたこともあって、老眼鏡を購入された顧客に対してDMを発送。その封筒には「クルマに高級車があるように、補聴器にも世界の逸品があります」と書き添えました。

 中身のリーフレットでは
補聴器といいますと、テレビの通販などで紹介されている《ただ音を増幅する》ものを想像される方もおられます。しかし、耳の形状は指紋と同様に、お一人お一人異なりますし、音の捉え方もまったく異なります。優れた補聴器とは、ご自身専用にカスタマイズされた最先端のリスニングデバイスなのです
と言及し、「なるほど、車には高級車があり、そのよさを長年実感している。ひょっとしたら補聴器も同じかもしれない」とターゲットに認知させたのです。そして……

◎補聴器を付けているのを忘れるほど自然な音で驚いた。
◎何度も聞き直して、イライラしていたのがウソのよう。
◎ボリューム調整も、使いやすいシンプルリモコンでラクラク。
◎騒がしい場所でも、聞き取りやすく、外出が増えた。
◎小さくて目立たないので、仕事や趣味でも安心して使える。

といった補聴器を付けた人の感想を入れて、「あなたのライフスタイルも一変します。まずは2週間体験してください」と、背中を押したわけです。
つまり、
クルマには高級車がある ⇒ 補聴器の高級品もまったく違う ⇒ それを付けると日常が変わって、歓びが増える ⇒ まずは体験してください
という物語を作ったわけです。(次回へ続く)

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著者紹介

中村ブラウン
小さな会社だからこそ、DMは最強のツール!

中村ブラウン
電通グループの広告代理店等にて、シニアコピーディレクターとして、25年以上にわたってBMWのブランディングを支えてきた。全日本DM大賞などの受賞歴を持ち、ダイレクトマーケティング全般に深い造詣を持つ。著書『小さな会社だからこそ、DMは最強のツール!』(WAVE出版)はネット全盛のマーケティングに斬新な切り口を与えている。本記事を深く理解する上でも、一読をお勧めする。
DMなど集客のご相談は、nakamurabrown@gmail.comへ。


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