BMWを20年間売り続けた
伝説のコピーライターに学ぶ
DMは最強のマーケティングツール 第2回

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なぜ紙DMバナーvol2コラム

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ウェビナーでは、実際にDMの業務に関わっている読者の方からご意見をいただき、中村氏の視点で改良案や追加アイデアなどを提案させていただく予定です。
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「販売における3大原則」とは?

そもそも、「人は売り込まれるのが嫌い」です。
例えば、洋品店でジャケットを見ていたとします。「ちょっとイイ感じだけど、どうしようか?」と悩んでいると、スタッフがやって来て売り込もうとします。あなたは急に買う気を喪失して出ていく――という経験はないでしょうか?
 マーケティングでは「販売における3大原則」というのがあります。それは、「①顧客は、売りつけられることを嫌う」「②顧客は、感情的な理由でものを買いたくなる」「③顧客は、買うことを決めて(または、買った後に)自分の意思決定を理性で正当化する」です。
 例えば、あなたは先ほどの洋品店で黒いジャケットが目に留まったとします。あなたは黒い服が大好きで、同じような服を持っているのですが、そのジャケットにひとめぼれします。

これが、「②顧客は、感情的な理由でものを買いたくなる」です。
 しかし、奥さんが「また、同じような服を買ってきて」と、嫌味を言うかもしれない。そこで、襟元のデザインの違いや、ボタンの材質、スタイルの違いなどを見つけて、奥さんへの言い訳を考える。これが、「③顧客は、買うことを決めて(または、買った後に)自分の意思決定を理性で正当化する」です。

画像その①

 この方程式をDMに当てはめるとどうなるでしょうか?
 まず大事なのは第一印象です。DMでは封筒になります。ここで、「売り込まれるのではないか?」または、「自分には関係ない」と思われては開封する気も失せてしまいます。
 前回、BMWのDMでご紹介したゴルフDMはまさに、「え?ゴルフボールが入っている!」と、ゴルフ好きの感情を刺激することに成功しています。

 DMに対して読者の気持ちを引き付ける流れはこのようになります。
A. 封筒では「自分事として興味を抱かせる」「売り込み感をなくす」
B. 中身のリーフレットでは「いかにこの商品があなたにとって価値あるものか」を
 イメージ写真や日常でのシーンを想起させることで伝え、感情的にさせる。
C. なぜ、価値があるのかを理性で正当化する。
D. アクションを起こさせる。(お店に集客するなど)

ということが基本になります。ここで大事なこととは、「感情的にさせる相手とはどんな人物か?」、そして「感情的にさせる自分にはどんな魅力があるか?」です。では、その話をしていきましょう。

「彼を知り己を知れば百戦殆(あや)うからず」という孫氏の言葉

「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」という孫氏の言葉があります。自分を知り、相手を知る。それは、マーケティングにおいて最も重要なことです。
 BMWのショールームイベントを例に取って考えてみましょう。
 まずは「自分を知る」ですが、BMWとは人間に例えるとどのような「人物」かを考えます。
 このブランドの人格は「駆けぬける歓び」、もっと言えば「歓び=JOY」です。その一方で、BMWがフェラーリなどの純スポーツカーと異なるのは、セダンベースで実用的な使い方ができるという点にあります。
 つまり、BMWの製品特長は、「スポーツ性能」だけでなく、「快適な居住性」「信頼できる安全性」「欧州車としてのステータス」、全てを兼ね備えていて「歓び」があるということです。その中でも突出した個性として「スポーティな歓び」があります。
 そして、BMWの顧客特性を簡単に言うと、「アクティブに行動する人」です。職種でいうと、医師、エンジニア、会社役員といった自分で人生を切り拓いている人が多く見受けられます。

 では、これを念頭に置いて、サマーシーズンにショールーム来場を促すDMを考えてみましょう。夏と言えば、七夕ですね。7月の最初の週末に「家族で楽しめる七夕まつり」というコンセプトはどうでしょうか?
 このアイデアは「お祭り=楽しそう」という点では評価できますが、「ステータス」「スポーツ」「JOY」という点を考えると、BMWには合いませんし、第一、そういうイベントがターゲットの心に響くとは思えません。
 では、BMWのコアバリューである「スポーツ」を軸にしたらどうでしょうか?「BMWサマースポーツDAYS」として、ジェットスキーやスキューバダイビングなど、ハイソでアクティブなバカンスに出かけるライフスタイルを描き、その中でBMWのスポーツドライブを訴求するイベントとするわけです。後者の方がBMWのターゲットの心をくすぐり、週末に出掛けてみようかとなるのではないでしょうか。
 これが、「自分を知り、相手を知る」ということから導き出された企画なわけです。

「アンケートDM」という考え方

 『少年ジャンプ』という漫画雑誌がさまざまなヒット作を生み出してきたのはご存じだと思います。その成功の理由のひとつに読者アンケートが挙げられます。アンケートが、読み手のニーズを捉える戦略の肝になっているのです。
 さて、先ほどの章で、「相手を知る」という点を語りましたが、あなたはクライアントの顧客がどのような特性を持っているか把握されているでしょうか?
 それを探るひとつの方法に「アンケートDM」という手法があります。
 例えば、クライアントが旅行代理店だとして、その既存リストにDMを打つとします。そのDMには売り込み等の案内は一切なく、「旅行好きの方へ、アンケートのお願い」というコンセプトで返信を促すのです。
 「今、どういう国に行きたいか?」「どのようなアクティビティに興味があるか?」と、売り込み口調ではなく、あくまでジェネリックに「旅行業界のために貴重なご意見をください」という姿勢で、抵抗感をなくす仕立てにします。
 もちろん返信された方には特典とともに手厚いフォローをしていきます。なぜなら、この返信された方こそ、優良顧客になりうるからです。
 返信の方法は郵送でなくてもいいでしょう。LINEなどを組み合わせればコストの低減とともに、顧客も手軽にアンケートに答えてくれると考えられます。さらに、顧客のLINEアカウントをゲットできれば、次回は違った戦略で集客も計画できます。

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