ダイレクトメールって儲かるの?
クライアントへの提案前に押さえておきたい基礎知識

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前回の記事では、ダイレクトメール(DM)とメールを連携させた富士フイルムの実証実験について取り上げ、紙(DM)とデジタル(メール)を連携させることでより高い確率で顧客にリーチでき、行動喚起につながることをご紹介しました。デジタル全盛の今、なぜDMが効果を発揮するのか。今回は、デジタル時代だからこそ見直されているDMの価値と、その活用方法や事例についてご紹介します。


デジタル時代におけるDMの特性と効果

前回の実証実験から、紙媒体には、①内容に対する熟読度が高い、②内容が記憶にとどまりやすい、③特別感がありうれしい─といった特性があると浮かび上がりました。

>実証実験の内容はこちら

■実証実験から見えたDMの価値
①内容に対する熟読度が高い
実証実験で割引クーポンを受け取った人に対して、「内容をじっくり読んだか」(熟読度)について調査したところ、DMを読んだ人の方がメールのみを読んだ人よりも熟読度が有意に高かったことが分かりました。

②内容が記憶にとどまりやすい
DMを受け取ったグループのWebサイトアクセス数は、メールのみを受け取ったグループよりも継続して大きく伸びました。特に、割引クーポンの利用期日前に急増したことから、紙媒体の情報の方が記憶にとどまりやすく、形として残ることで思い出しやすいことが分かりました。

③特別感がありうれしい
紙のDMに対する評価を「温かみ」「労力」「限定感」という3つのキーワードで調査したところ、特に30代以下においては、「紙の方が温かみを感じる」ことが分かりました。また、郵便を出すことを手間だと思う人は、「紙の方が限定感や特別感がある」という結果が得られました。

■DMの効果
上記の3つの特性により、DMは高い確率で顧客に行動を促すことができます。
また、「DMメディア実態調査2020」(一般社団法人日本ダイレクトメール協会)によると、本人宛てのDMの開封・閲覧率は63.1%、その後何かしらの行動をした人は15.1%という結果が出ており、DMには高い行動喚起効果があることがうかがえます。
生活者はDMを受け取ると、Webサイトへのアクセス・検索、来店など行動は多岐にわたり、DMはクロスメディアの起点としての役割も果たしています。特に、クロスメディアの施策は若年層に浸透しやすい傾向にあり、より高い訴求効果を生み出すと期待できます。

※カッコ内の数字は前回調査

出典:「DMメディア実態調査2020」(一般社団法人日本ダイレクトメール協会)

内容をパーソナライズすると、DMの訴求力はさらに高まります。先の「DMメディア実態調査2020」によると、「一般的なDMと比べてパーソナライズされたDMタイプの方を開封・閲読してみたいと答えたのは、開封意向あり計48.0%、意向なし計14.5%となり、全体的にはパーソナライズされたタイプのDMの方が訴求力が高いという傾向が見られた」と言及しています。


DMに適した商材は?
DMの費用対効果をシミュレーションして見極めよう

DMはクライアントにとって決して安い販促手段ではありません。そのため、事前にある程度の効果シミュレーションをしておくことが大切です。DMの費用対効果は下記の計算方法でシミュレーションできます。

・DMによる貢献売上:「通数×反応率×購買単価」
・DMによる貢献粗利:「通数×反応率×購買単価×粗利率-総DM費」

お客さまの商材の購買単価や見込まれる反応率、郵送通数によってDMの貢献売上や粗利額が変わるため、事前にターゲットリストや郵送通数を精査することが成功のポイントとなります。

■シミュレーション例

項目 ケース1 ケース2
前提条件 (A)顧客購買単価 ¥10,000 ¥6,000
(B)DM郵送通数 3,000通 3,000通
(C)反応率 5% 5%
(D)DM費用/枚 ¥80 ¥80
(E)粗利率 30% 30%
DM費用 (F)総DM費=B×D ¥240,000 ¥240,000
DM効果 貢献売上=A×B×C ¥1,500,000 ¥900,000
貢献粗利=A×B×C×E-F ¥210,000 ¥30,000

上記の表からも分かるように、顧客単価の高い商材(自動車や住宅など)は費用対効果が出やすくなります。また、そのような商材は購買までの検討プロセスが長く、顧客が自発的にさまざまな情報収集を行うことが多いため、DMを用いた丁寧なコミュニケーションと親和性が高くなります。


着目したいもう一つの指標、LTV(Life Time Value)とは?

顧客単価の高い商材で見落としがちなのが、リピート利用や継続的な契約が発生する商材です。愛着度(ロイヤリティ)の高い顧客によるリピート利用を狙う旅行・ホテル業界や百貨店業界、顧客に継続的に利用を続けてもらう化粧品やサプリメント、学習塾や資格学校、保険商品といった商材では、LTV(Life Time Value)という指標を重視します。

LTVとは、「顧客が一生のうちに自社製品やサービスをどれだけ購入利用し、合計でどのくらいの利益をもたらしてくれるか」を示す値で、「購入単価×購買頻度×契約継続期間」で計算されます。LTVを重視する商材における、DMの活用ポイントは主に2つあります。

■ポイントその1:新規顧客獲得時
化粧品やサプリメントでは、顧客獲得のためにトライアルセットやお試し商品を用意して、本商品・定期コースへの引き上げを行うことが一般的です。商品のよさや利用を続ける理由を訴求するため、DMを用いた顧客コミュニケーションの施策を2~3回に分けて丁寧に行うことが多いです。

事例1
> ABテストによる効果検証に基づきDMを改善し、顧客獲得効率の高い引き上げシナリオを実現

■ポイントその2:継続利用を促す顧客コミュニケーション
LTV重視の商材では、顧客との信頼関係を築き、深めていくことが重要です。そのため、契約更新など顧客フォローが必要なタイミングで、顧客の利用状況に応じて一人ひとりに適した商品を提案するなど、継続利用とアップセル・クロスセルを目的とした施策でDMが利用されることが多くなっています。

事例2
> パーソナルレター×オリジナルギフトを利用した離反優良顧客の引き上げ施策

事例のダウンロードはこちらから

※両方の事例をダウンロードできます


まとめ

2回にわたり、DMの価値と活用のポイントをご紹介しました。
デジタルを活用したコミュニケーションが主流となっている昨今においても、利用シーンをしっかり見極めてDM施策を打ったり、デジタル媒体と組み合わせた施策を展開したりすることで、DMは、デジタルのコミュニケーションだけでは訴求できない層からも広く反応を得られる非常に有効な販促ツールであるとご理解いただけたでしょうか。

DMを顧客一人ひとりの嗜好(しこう)やニーズに合わせた内容にして訴求力を高めるには、バリアブル印刷を活用します。また、WebサイトのURLをQRコードでDMに印字すれば、受け取った人がアクセスしたかなど一人ひとりの反応を細かく効果測定したりすることも可能です。デジタル時代の今こそ、DMとデジタルを組み合わせて、より訴求効果の高い施策を展開することができるでしょう。
ぜひ一度、クライアントへご提案してみてはいかがでしょうか。

イベント情報 12月2日(木)、3日(金)開催!

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〜アフターコロナのディレクション〜」

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