ダイレクトメールって儲かるの?
印刷会社さまに聞いた
ダイレクトメール(DM)ビジネスを成功させる
ポイントは?―製造編―

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全2回のコラム「ダイレクトメール(DM)ビジネスを成功させるポイントは?」の「営業編」では、「DMビジネスが活況な業種」や「クライアントへの提案のポイント」についてお伝えしました。今回は「製造編」として、「DMを製造する上で気を付けるべきポイント」をご紹介します。

DM制作の大前提として、宛名や個人情報などの印刷に不備があってはなりません。また、指定された期日までに確実にDMをお客さまに届ける必要もあります。しかしながら、DMビジネスは短納期の制作を求められることが多いため、制作途中で不備を発見した際には、リカバリーに費やす労力や資源をできる限り最小限にとどめなければなりません。そのためには、宛名や個人情報などの可変箇所に関して不備はないか、なるべく早い工程で確実に検出することが重要です。

今回、DMを受注から発送代行まで受託されている印刷会社さまに、「可変データの不備を検出する生産体制」について教えていただきました。

DM-SP事_記事用図版_1

入稿時:印刷前の可変データチェック

まず入稿時に、入稿データがクライアントと取り決めた仕様通りになっているかをチェックします。

■チェック項目
・宛名面
届け先住所の文字数、氏名の外字の有無、ハイフン、記号などの表記に揺れがないかなど
・広告面
ファイル名、ファイル数、画像サイズ、裁ち落としの有無、カラーモード(RGB→CMYK)、スポットカラー(特色)の有無など

宛名面のデータのチェックでは、主に以下の2つの方法が挙げられました。

1.「FileMaker」や「Microsoft Access」などのデータベース(DB)の活用
DBに入稿データを取り込むと、前述のチェック項目に対し不備があれば、自動で抽出できるようにしている。

2.アプリケーションの自社開発
汎用のDBではなく自社開発することで、オペレーションの利便性を高め、誰でも作業できるようにした。アプリケーションに入稿データを取り込み、修正が必要な行を抽出し、エクセルファイルに書き出す。そのエクセルファイルをクライアントに提出し、再入校を依頼している。

入稿時にまず重要なことは、「入稿データの不備を検出すること」です。今回は、仕様チェックの作業は自動化することで、正確性の向上と効率化を図っていました。
また、「製造工程で入稿データに不備を仕込まないこと」も重要です。チェック作業の自動化は、「意図せず別のセルを書き換えてしまった」などのヒューマンエラーを避ける効果もあります。
さらに、不備が検出された場合の対応は、各社とも「印刷会社側では『修正』は絶対に行わず、必ずクライアントに報告し、修正を依頼する」という運用ルールを事前にクライアントと合意していました。
その他、入稿データのチェック後は、「バリアブルソフトの仕上がりプレビュー機能で、外字の文字抜けのエラー有無をチェックしてから、印刷データの制作に入る」という声もありました。

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入稿データをチェックし、不備があればクライアントへ再入稿を依頼する

制作時:信頼性の高いバリアブルソフトを使う

入稿データのチェック後、制作工程に入ります。

■制作時のポイント
前工程でチェック済みのデータを「正」として、制作工程の中ではデータ自体を編集せずに、レイアウト制作に注力することが重要です。

制作工程で使用するバリアブルソフトに求められていることとは

1. 文字あふれの検出および、あふれた場合の文字調整ができること

万一、文字が仕様で定義したエリアよりあふれてしまった場合、バリアブルソフト側であふれ箇所を検出し、自動で長体をかけるなどの文字調整ができることが必要です。

エラー画面

例)エラー表示:指定したエリアから文字があふれた個所を検出

2. 大量・高速・安定して印刷データを生成できること

短納期であることが多いDM製作の仕事において、バリアブルソフトには安定したデータ生成ができることが求められます。
富士フイルムのバリアブルソフト「FormMagic」では、数万件規模のDMでも高速かつ安定したデータ生成が可能です。

表組

3. 柔軟なデザイン再現

宛名と同時に、広告画像をバリアブルソフトによる自動差し替えを行うことで、DMの表裏を正しくデータ上で結合することが必要です。

4. 郵便バーコード、QRコードなどの幅広いバーコードの生成に対応していること

DMに記載するバーコードは、宛先の情報を正確にバーコード化する必要があります。
「FormMagic」はさまざまなバーコード規格に対応し、かつ印刷データ生成時に同時作成するため、別ソフトでバーコードを作成し貼り込むといった作業は必要ありません。

エラー画面

制作工程での不備発生を避けるため、信頼性の高い組版技術を備えたバリアブルソフトで、安定した生産環境を構築することが重要です。また、バリアブルソフトには正確性の向上以外にも、デザイン再現の柔軟性、短納期・大量発送に対応できる高速・大量処理の安定性などが求められます。

■実例を交えた解説資料はこちらから
各工程におけるチェック内容や方法について、実例を交えた解説資料を以下よりダウンロードしてご覧いただけます。

資料のダウンロードはこちらから

■「FormMagic」を導入した印刷会社さまの声
富士フイルムのバリアブルソフト「FormMagic」をお使いの印刷会社さまの声をご紹介します。

・「FormMagic」導入前は他社のソフトを使用していたが、夜間に処理を行うも、翌朝出社すると途中で止まっていたなど、安定性に欠けていた。「FormMagic」は処理が速いので、印刷データ作成の時間を予測しやすく、全体の製造工程を組みやすくなった。

・「FormMagic」の文字あふれ調整機能を使用することで、規定以上に長い文字列があった場合、文字サイズを自動調整しながら自動組版できる。住所の文字が途中で欠けることがなくなり、印刷データの作り直しがなくなった。

・バリアブル印刷向けの豊富な機能が標準でそろい、誰でもアプリケーションで設定できる。営業が取ってきた仕事にすぐに対応でき、小回りが利くソフトである。

発送前:検品の工夫

入稿時や制作工程において、これらの取り組みで印刷データの不備を解決しておくことで、印刷後は品質や枚数チェックに注力することができます。

印刷後のチェック方法
・印刷品質をチェックするため、印刷前にダミーデータを使った試し刷りを行っている。
・数量をチェックするため、一定の件数ごとにダミーデータを挟み込み、抜き取り検品を行っている。
・制作段階で、バリアブルソフトにより封入物各紙にユニークなバーコードを挿入。封入封かん時に検査機で封入内容に抜け漏れがないかをチェックしている。

今回の「製造編」では、可変データの不備を検出する生産体制を「入稿時の可変データチェック」「信頼性の高いバリアブルソフトでの制作」「印刷後の検品」の工程に分けて解説しました。

発送費を抑える工夫

DMの発送までに必要な費用の内訳は、「印刷代」「作業費」「送料」に大きく分類されます。この中で最も高いのが「送料」です。
「送料」は、発送時にある作業を行うことで割引を受けることができます。その処理方法についても、下記のダウンロード資料でご確認いただけます。

資料のダウンロードはこちらから

「ダイレクトメール(DM)ビジネスを成功させるポイントは?」のシリーズ記事として、①DMビジネスの需要の継続性、②DMの新規受注からクライアントとの関係構築による継続受注化、③各工程でのチェック体制の構築による生産工程の信頼性確保について、重要なポイントを解説しました。本記事がこれからDMに取り組まれる印刷会社さまの参考となれば幸いです。


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