写真左から FFGS 技術二部 課長 大橋 彰、技術二部 西 和哉、デジタルソリューション営業部 渡邉 明子
10月末に発行された広報誌『FGひろば192号』。すでにご覧いただいた方もいらっしゃるかと思います。今回の特集では、「+デジタルで課題解決!オフセット印刷・デジタル印刷の両輪で、競争力を高めよう」と題して、オフセット印刷機とデジタル印刷機の特性を生かし、効果的に併用するためのポイントとそのメリットについてご紹介しました。さらに、オフセット印刷機と併用するための品質と安定性を兼ね備えたデジタル印刷機「Revoria Press PC1120(PC1120)」についても詳しくご紹介しています。
さらに、生産機としての有効性と品質を検証すべく、全16ページ冊子のうち4ページ分は実際に「PC1120」で印刷。20,000部を発行しました。
百聞は一見にしかず。ぜひお手に取っていただき、「PC1120」で出力したページとオフセット印刷によるページの品質を比較してください!まだご覧になっていない方は、ぜひ下部のフォームよりお問い合わせください!
本記事では、『FGひろば192号』の製作工程の概要と、製作を担当したFFGSのスタッフおよび印刷会社の営業担当者様の声をご紹介します。
【仕様】
●全16ページ中綴じ(エコ綴じ) ●発行部数:2万部 ●用紙:ニューVマット四六判90kg
●印刷方式:4ページ(A3・表裏分):Revoria Press PC1120出力/12ページ:オフセット印刷
【製作工程】(オフデジ2ラインを同時進行したイメージで図版を写真やイラストを入れて作成します)
![FGひろばオフデジコラム用図版](https://fg-platz.fujifilm.com/wp/wp-content/uploads/2024/11/column_81_img01.jpg)
20,000部という大ロット出力への初めての挑戦
大橋:今回の『FGひろば192号』は、FFGSの西麻布ショールーム「Solution Design Lab」で出力しました。まず、20,000部もの大ロットをトナー機で出力することが、このショールームでは初の経験でした。『FGひろば192号』は、お客さまがクオリティサンプルとしてもご覧になるものなので、色味はもちろん、表裏見当も含めて安定した品質を維持する必要があります。スケジュールは少し余裕を見て、出力工程に2日間を充てました。また、12ページ分のオフセット印刷を担当される印刷会社様は、自社独自の色基準を運用されています。「PC1120」では、その色基準をターゲットとしたカラーマッチングを行った上で出力に臨みました。
![大橋課長](https://fg-platz.fujifilm.com/wp/wp-content/uploads/2024/11/column_81_img02.jpg)
![校正](https://fg-platz.fujifilm.com/wp/wp-content/uploads/2024/11/column_81_img03.jpg)
全16ページが一発で本機校正とマッチング!
西:印刷会社様には、『FGひろば192号』の本機校正を刷る際に、一緒にカラーチャートを刷っていただきました。FFGSではそれを測色してプロファイルを作成しました。このプロセスは、色を合わせるための標準的なものです。プロファイルを「PC1120」にあてて、テストとして全16ページを出力したところ、一発で本機校正と色が合いました。これはうれしかったですね。
![西さん](https://fg-platz.fujifilm.com/wp/wp-content/uploads/2024/11/column_81_img04.jpg)
![プロファイル作成](https://fg-platz.fujifilm.com/wp/wp-content/uploads/2024/11/column_81_img05.jpg)
出力は、デジタル印刷機を担当してまだ4カ月の私が行いました!
渡邉:実際の出力は私が行いました。私は以前刷版の技術を担当しており、デジタル印刷機の担当になったのは、まだ4カ月前のこと。デジタル印刷機を担当するようになって最初に驚いたのは、1枚目からしっかり色が出せることですね。しかも、オフセット印刷では手間のかかる調整作業や面付けの変更なども、「PC1120」では備え付けの操作画面で簡単にできるので、すごく楽ですね。今回は全数が製本されてお客さまのところに届く「印刷製品」の製作でしたので、非常に緊張しました。しかし「PC1120」の出力はとても安定しているので、ずっと張り付いている必要がなく、出力中に近くで他の作業を行うこともできました。
![渡邊さん](https://fg-platz.fujifilm.com/wp/wp-content/uploads/2024/11/column_81_img06.jpg)
![出力](https://fg-platz.fujifilm.com/wp/wp-content/uploads/2024/11/column_81_img07.jpg)
出力の停止を最低限にして、13時間で20,500部の出力が完了
渡邉:出力中、抜き取りで見当や色味のチェックを行いましたが、色味の変動もなく、問題は一切生じませんでした。2つの給紙トレーを使ったので、用紙がなくなったトレーから補充を行うことで、機械を止めることなく連続出力ができました。出力を一時停止したのは、トナーを交換した1回だけです。出力は順調に進み、2日間合計約13時間で、予備を含め20,500部・A4換算で82,000ページの出力が完了しました。
西:後加工のスケジュールが決まっていたので、スタート前はプレッシャーもありましたが、大きなトラブルもなく進み、納期に間に合わせることができました。
![PC1120](https://fg-platz.fujifilm.com/wp/wp-content/uploads/2024/11/column_81_img08.jpg)
これなら自信を持ってお客さまにもお薦めできる
西:その後、印刷会社様に無事製本をしていただきました。当初は、ページをめくるとオフセット印刷機と「PC1120」の違いを感じるかなと思ったのですが、実際に製本された『FGひろば192号』を見てみると、全くそんなことはありませんでした。色味や人の肌の再現なども、オフセット印刷機で出力した他のページと比べて、全く違和感がありません。これは、正直に言って予想以上のクオリティでしたね。私自身、初めて20,000部の出力を経験して、改めて「PC1120」の品質や安定性の高さを実感でき、「これならば本当に自信を持ってお客さまにお薦めできる」と感じました。
大橋:印刷会社様の実際の生産現場では、データを出力して終わりではなく、検品して後加工、梱包、出荷という一連の流れがあります。そして、それらを決められたスケジュールの中で毎日こなしていかなければいけません。工程の中にボトルネックがあると、生産全体に影響が出てしまいますし、もちろん品質が維持されていることは大前提です。そんな生産現場の大変さを、今回、ほんの一部ではありますが体感できた気がします。デジタル印刷機はスキルレスで扱える点はメリットですが、出力を止めないシステムの堅牢性、余計な手間をかけない操作性やワークフローといった、スペックに表現されない点も需要だと改めて感じました。
印刷会社営業担当の方のコメント
「今回、当社の製造工程としては、特に変わったことはなく、通常運用している色基準でスムーズに進行することができました。デジタル印刷機の品質が、イメージしていたよりはるかに高く、オフセット印刷機と遜色ない仕上がりだったので驚きましたね。出来上がった冊子は社内のデジタルプリント部門にも回覧しました。今後、デジタル印刷機による可変印刷のページとオフセット印刷を組み合わせた冊子など、さまざまな活用が期待できると思います。とても興味深い取り組みでした。」
『FGひろば192号』をご覧になりたい方はこちらからお気軽にご連絡ください
![色調チェック](https://fg-platz.fujifilm.com/wp/wp-content/uploads/2024/11/column_81_img09.jpg)