無処理版は印刷機にどのような影響を与えるの?

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無処理版影響_コラム_MV

無処理版って印刷機に何か悪さをするの?

無処理版は、環境対応と自動現像機のメンテナンス、コスト削減につながる製品です。
その一方で、実際に印刷で使用する印刷現場の方からは、「無処理版は印刷機に何か悪影響をもたらすのでは?」という不安の声も多いのが実情です。

今回は、「無処理版は印刷機にどのような影響を与えるの?」という疑問にお答えします!

結論。「富士フイルムの無処理版は印刷機に悪影響は及ぼしません!」

これだけ聞いても全く安心にならないですよね。
実際、無処理版が印刷機に悪影響を与えてしまうケースもあるのですが、では「なぜ富士フイルムの無処理版には悪影響がないのか」をご説明します。


印刷機への悪影響の正体は「ローラーへの現像カス堆積」

富士フイルムの無処理版は、印刷機上で現像する「機上現像方式」と呼ばれる方式で現像処理されます。

<機上現像方式の図>

機上現像方式の図

このとき、非画像部の感光層が版から剥がれるのですが、剥がれた感光層がどこにいくのかと不安を感じると思います。

現像した際の、剥がれた非画像部の感光層が、水着けローラーを介してライダーローラー(ブリッジローラー)に堆積すると、印刷機への悪影響が起きてしまいます。

機上現像カス_テスト画像
富士フイルム製品と他社製品を同時にテストした際の画像

バームクーヘン状にローラー径がどんどん膨らんでいくので、外径が長くなって、版面への水供給量がばらついてしまうのです。また、水/インキバランスの崩れにもつながり、印刷品質が安定しないだけでなく、日々のメンテナンス負荷が増えてしまいます。これが印刷ユニットごとに発生するので、メンテナンス負荷の大変さはご想像の通りです。

富士フイルムの無処理版は、機上現像方式で現像をした場合、剥がれたものは以下のように排出されていきます。

インキと混ざり、インキと一緒に版の画像部→ブランケット→用紙に転写され、印刷機の外にでていきます。

機上現像の説明動画

これは、印刷機の外に出ていくように版の設計を考えてつくっているからできることなのです。
そのため、富士フイルムの無処理版には、保護層と呼んでいる親水的な層を感光層の上に塗っています。

保護層のイメージ図

この保護層は、有処理版では必要不可欠な、自動現像機で版面に塗られるガム液の役割を持つもので、親水性を持っています。感光層の上に保護層があることで、水が浸透しやすくなり、剥がれた感光層が印刷機内に入り込むのを防ぐ役割があるのです。保護層がない場合、親油性の感光層がむき出しの状態のため、剥がれた感光層が印刷機に入り込んでしまう可能性があります。

富士フイルムの無処理版の設計思想は「使う人に寄り添う」。ローラー上に現像カスが堆積しないよう設計しているため、「印刷機への悪影響」がありません。また、感光層自体に、ローラー剥げのもととなるグレーズを作り出すものは入っていませんので、ご安心してご使用いただけます。

今回のコラムが、実際に印刷業務を担われる皆さんの不安を解消することに、少しでもつながれば幸いです。


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