『経営変革セミナー2021 Winter』イベントレポート
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■スマートファクトリー化の提案事例

 実際に当社が手がけたスマートファクトリー化の提案事例を紹介する。

(1)AGVを活用した省人化・無人化(工程間の無人搬送)
 AGVとは、Automated Guided Vehicleの略称で、産業用途で多く使用される無人搬送車・自動搬送車のこと。当社はシャープ様とアライアンスを組み、お客さまに最適なAGVをご提案している。
生産資材の自動搬送
 用紙や薬品類など、重量のある資材の運搬を、従来はフォークリフトなどで人が行なっていたが、AGVで自動化。部屋を跨ぐ、あるいはフロアを跨ぐ場合も、AGVで自動搬送が可能に。これにより、作業者が限定されがちな運搬作業の負荷軽減と安全性強化が図れた。
中間品の工程間搬送、完成品の出荷場までの搬送
 1台のAGVで複数の地点に中間品を運ぶ、あるいは複数の地点から完成品を運ぶという運用により、全体のリードタイムの短縮、作業スペースの確保を実現する。
ピッキングアシスト
 在庫品のピッキングの自動化。いままで指示書に従って人が在庫棚を探して製品をピックアップしていたが、AGVが在庫棚まで先導することにより、ピッキング作業の効率化が実現する。

(2)協働ロボットを活用した省人化・無人化
 当社がご提案するロボットは、人との共同作業を前提とした協働ロボット。従来の産業用ロボットのように安全柵で隔離する必要がなく、人と同じスペースを共有しながら一緒に作業できるよう設計されているロボットである。
POD機からの出力紙を通い箱へ格納・仕分け
 従来は、夜間にPOD機で出力したものが毎朝山積みになっており、それを人が配送先ごとに仕分けていた。その作業負荷を低減するため、協働ロボットによって仕分け作業を自動化。このロボットはPOD機やProduction Cockpitとも連携可能。どのジョブの仕分けを行なっているのかといったステータスを確認したり、完了後に別作業を指示するといったマネージメントをProduction Cockpit上で行なうことで、無人化を実現する。
加工機への刷本投入・取り出しを自動化
 最近、後加工の中でも断裁作業の自動化ニーズが高まっている。ロボットによって無人化することで、刃物を扱う断裁作業におけるオペレーターの精神的負荷や、作業ミスの削減につなげている事例がある。
PS版の取り扱いを自動化
 FFGSからの提案事例。PS版(CTP版)のオートローダーへの装填、ベンディングなどの作業を自動化することで、刷版工程の省力化を実現している。

(3)デジタルピッキングを活用した資材・在庫管理の省力化
印刷用資材の棚卸業務・資材管理の手間を削減
 オフセット印刷機周辺の資材・パーツの棚卸、消耗品発注に、時間と手間がかかっていたため、自動在庫管理システムを導入。棚に設置された重量センサーにより在庫量を検知し、一定量を下回ると自動で発注がかかる仕組み。人手による在庫管理・発注の手間を削減した。
印刷成果物やノベルティの発送仕分け業務を効率化
 全国数百店舗に発送する商品(フォトブック、チケットなど)の仕分け業務が煩雑でミスも多く、検品にも時間がかかっていた。また、商品(印刷物)のサイズが数種類あるため、機械による自動化が困難であった。そこで、ゲート式仕分けシステムを導入。商品に付加されたバーコードを読み取ると、どの棚に仕分けるかをシステムが判断・誘導するため、仕分けミスが防止でき、作業効率も向上。検品工程の削減にもつながった。

(4)梱包・宛名ラベル貼り付けの自動化
 梱包は作業負荷が大きく、人材もなかなか集まらない。また、管理ラベルを活用するなどして管理していてもミスが発生する、といった課題があった。そこで、自動梱包+送り状貼付システムを導入。箱のサイズがまちまちでも、センサーで検知して確実に自動梱包が可能。また、納品書の同封、出荷伝票の貼付まで自動処理できる。これにより、発送準備工程の大幅な省力化が図れた。

(5)プリプレス(面付け)の自動化
 面付けが必要なジョブが1日に100点ほどあり、人手による面付けでは1点5分としても8時間以上かかってしまい、残業を強いられることもあった。また、印刷機ごとに面付けルールが異なるために作業が属人化し、ミスの発生要因にもなっていた。これを、『Switch』+『Phoenix』+『XMF』の導入によって自動化。製版・刷版工程の大幅な省力化が実現し、ミスの削減も図れた。

(6)古い印刷機、加工機からの稼働状況の自動取得
 Production Cockpitでは、さまざまなメーカーのデジタル印刷機やオフセット印刷機のステータスの取得が可能だが、ネットワークに対応していないオフセット機や加工機などは連携できない。そのため、正確な稼働状況を把握できず、「チョコ停」「準備段取り」「人待ち」などの時間短縮のための情報が集まらない。そこで、エッジIoTにより、各機器のPLC(コントローラ)の情報を活用したモニタリングを実現。古い機器も含めた正確な稼働状況の把握により、設備稼働率の向上、予防保全を実現する。

(7)新工場設立における全体コーディネート
 マテリアルハンドリングベンダーとの協業により、工場のレイアウト設計から機器配置、ワークフロー運用まで、全体をコーディネート。富士フイルムBIが窓口となり、スマートファクトリーの新規立ち上げをトータルにサポートした。

セミナー会場

 本日お話しした内容は、当社のWebサイトにも掲載しており、事例についてもダウンロードが可能になっている。ここで挙げている事例以外にも、お客さまの課題に合わせたご提案が可能なので、ぜひご相談いただきたい。

スマートファクトリー化の提案事例のダウンロードはこちらから


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