page2020 出展レポート

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イベントレポート第5回

2月5日(水)~7日(金)までサンシャインシティコンベンションセンターで、JAGAT主催『page2020』が「デジタル×紙×マーケティング for Business」をテーマに開催されました。出展企業による製品展示や基調講演、カンファレンス、セミナーなどに多数の方が来場され、最新製品と業界動向に関心を示されていました。

■FFGSのテーマは『昨日までの営業スタイルを変える。』

「昨日までの営業スタイルを変える。」をテーマに掲げた今年のFFGSブースでは、例年とは少し違った展示を行いました。まずはメインプレゼンテーションについてご紹介します。

メインデモ2020年という節目の年に、印刷会社各社がどのような取り組みを始めるのか。デジタルメディアと印刷メディアを融合する、あるいはデジタルメディアでは出来ないことを印刷メディアで実現する。さまざまな提案を印刷会社自らが行っていくために、FFGSはどんなお手伝いができるのか、これがメインプレゼンテーションの企画のベースにありました。

ステージの前半は、営業スタイルを変えて好調な業績を挙げている、3社の印刷会社の事例をご紹介しました。
福井県のエクシート様では、顧客の課題やその背景を知ることの重要性に早くから着目し、営業スタイルの改革を2017年からスタート。営業が帰社してからの社内作業を移動中や待ち時間に行うことで、4時間の時間短縮を実現。並行して営業教育を進めることで、顧客の経営課題に踏み込んだ提案が出来る体制を作りました。顧客のキーマンから「エクシートさんて、こんな会社だったっけ?」と言われるような変貌を遂げています。
帯広市の東洋印刷様でも同様に営業スタイルの改革に取り組みました。とくに100社近い取引先とのオンライン校正が大きな武器になっており、自社のWebサイトを充実させて新規受注を呼び込む営業スタイルとともに、同社を特長付けています。
一方渋谷区の千葉印刷様では、自社の店頭窓口で顧客と直接コミュニケーションをとる営業スタイルです。デジタル印刷を武器に、店頭での顧客の依頼に即座に印刷サンプルで応える体制を作っています。「千葉印刷は期待以上の提案をしてくれる」という評判が口コミで広がり、様々な分野の新規受注を獲得しています。

ステージ後半は、FFGSが自ら印刷発注者への提案を実践した例を紹介しました。
デジタル印刷のショールームを見学したことがきっかけで、実在のオペラ歌劇団『Kamite(カミテ)』の集客提案を行うことになりました。実はこの提案は現在進行形で、まさに3月の公演に向けて様々な提案活動をしているところです。「オペラファンが高齢化しており、若い世代を集客できていない。FacebookやTwitterでプロモーションはしているが、ネットで話題になることと、実際に劇場に足を運ぶことは違う」という歌劇団の課題に対し、別の機会に知り合った美大生をマッチングして提案を行いました。印刷物で実現できる様々な可能性に対し、歌劇団の女性演出家のインタビューが印象的です。「チケットがすごくかわいくて。舞台の印象がここまで表現されているチケットは見たことがない」「今までは自分で作ったチラシの原稿をネットで入稿するだけ。このような印刷の可能性を相談する機会がなかった」。私たちが提案しているサンプルをブース内で展示し、一部は実際に出力もしましたが、それらの効果測定を3月の公演で行います。結果は6月のJP展のほか、このメールマガジンでも報告する予定です。

オペラ歌劇団『Kamite』へ提案した様々なプロモーショングッズ

■印刷会社の営業スタイルを変革するソリューション

さて、続いて展示の報告です。
ブース内を3つのゾーンに分けて、私たちのソリューションをご紹介しました。
① Work Style Innovation Zone ~時間を創出する~
② Expantion Zone ~受注拡大を図る~
③ Ecology Zone ~営業活動支える~

① Work Style Innovation Zone ~時間を創出する~

印刷営業が、既存顧客の売上アップや新規顧客を獲得するために必要な時間を創り出すソリューションを提案しました。Webを活用し、印刷会社とクライアント、デザイナーを繋ぐことで、タイムリーなコミュニケーションを実現し、印刷営業の移動時間や回数を大幅に削減できる『XMF Remote』。
名刺やパンフレットなどの印刷注文をWebで行ない、煩雑な受注業務を省力化する『iAutolay Magic』。MISと連携し、ジョブの進捗確認や工程ごとの利益確認が可能な『Production Cockpit』や『PHOENIX』『Form Magic5』など来場者の課題や関心事に合わせたデモンストレーションを行いました。

② Expantion Zone ~受注拡大を図る~

デジタル印刷を活用し、受注した印刷ジョブに「関連商材」や「付加価値をプラス」した提案の実施、「新規商材で事業拡大」を実践している印刷会社様の事例を実サンプルの展示と、その目的や効果を動画により紹介しました。
クリエイターと印刷現場が直接意見交換することで、クリアエイターの期待通りの色再現をJetPressで実現。印刷現場をクリエイター同士のネットワークを広げる場としての活用を進めている加藤文明社様。「JetPressの鮮やかな色再現を見よ」をキャッチコピーに、RGBの鮮やかな色再現と小ロット出版をにより、出版業界の常識を変えていく今井印刷様の事例を紹介。 紙メディア以外の事例やサンプルも多数展示しました。
軟包装用UVインクジェットデジタルプレスを活用し、イベントやマーケティングなどの用途に応じた限定デザインや複数デザイン提案などの小ロット対応を武器に、受注拡大と新規顧客獲得を図っているニットーパック様と北四国グラビア様。ワードフォーマットUVインクジェットを導入し、ウィンドウフィルムや化粧シート、電飾広告の製作を内製化し、提案型の営業活動へシフトしてるイルカ様やトライ様、シルクスクリーン印刷で製作する工業製品の試作品作成に活用している東光工業様の事例も紹介しました。

「新規商材で事業拡大」を実践された実印刷サンプルを展示

③ Ecology Zone ~営業活動を支える~

省資源で環境対応に貢献。刷版以降のオートメーション化や自動現像機のメンテナンスから解放し、工数削減と印刷品質安定化を実現し、印刷会社の生産現場の働き方改革を実現。印刷会社様のCSR向上に寄与するソリューションを提案しました。
安定した印刷品質の提供と高い環境対応に大きく貢献する『完全無処理プレートZD-Ⅱ/ZP』と印刷品質管理ソリューション『GA Smile Navi』。多品種・小ロット・短納期対応と省力化に効果を発揮する『刷版ラインの自動化ソリューション』を紹介しました。

■来場されたお客様の声

最後に、富士フイルムブースにお越しいただいた皆様の声をご紹介します。
・まずは営業のどこに負荷が掛かっているか実態を把握するところから始めたい。
・移動がムダな時間という意識が薄いため、意識改革から始める必要があると感じた。
・あえて手間を掛けることが評価され差別化につながっている場合もある。
・提案のノウハウが無いので、サンプルコーナーは参考になった。
・POPやノベルティなどの新規ビジネスを考えていきたいと思っている。

当社の提案や展示への賛同も有れば異なる意見も有りました。これらの貴重な意見を受け止め今後の提案に活かし、営業スタイルの変革をはじめ新規ビジネスの検討など、印刷会社様の新たな取り組みにお役立ちできればと思います。

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