今さら聞けないカラーマネジメントの基礎知識
印刷の色基準の重要性

記事をシェアする

カラーマネジメントコラム_mv

日頃、仕事の中で「色が合わない」ということはありませんか?

色合わせの失敗例

■複数の印刷機でそれぞれ色が合わない。

  • ・印刷機の稼働率の偏りを是正し、効率を上げたい!
    1つのジョブを複数の印刷機で印刷して短納期化したい!
    しかし、現状は印刷機同士の色が合わないので、1台で刷り終えないといけない……。
  • ・印刷中に印刷機が故障してしまった。
    急ぎの仕事なので、他の印刷機で残りの部数を印刷しようとしたら色が合わない。

■リピートの印刷で過去の印刷物と色が合わない。

  • ・半年前に印刷したジョブのリピートを印刷したが、納品後に「前と色が違う」と指摘が入ってしまった。

■プルーフと印刷物の色が合わない。

  • ・プルーフでクライアントの色校OKをもらったけれど、いざ刷り上がりを見たら色が違う。
    これでは納品できない……。
    刷り直してもらいたいけれど、現場から「こんな色は印刷では出せない」と言われた。
  • ・プルーフと印刷の色が合わないから、本機校正をしなければならない。
    これでは生産に充てる時間が減ってしまう。

これらのさまざまな「色が合わない」問題をそのままにしておくと、「刷り直しが発生する」「納期に間に合わない」「生産効率低下」「ロスが増えることでのコストアップ」「クライアントからの信頼低下」など、さまざまな悪影響を及ぼします。
特に、デジタル印刷機の導入・普及が進んだ昨今、デジタル印刷機の安定性が見えてくると、オフセット印刷での「色が合わない」トラブルが改めて浮き彫りになってくるのではないでしょうか。

これらの問題の解消に必要なもの、それは色の管理=カラーマネジメントです。
カラーマネジメントとは、印刷物製作の全ての工程において、色に関する管理・運営をしていくことです。

カラーマネジメントの実践には、以下の3つの構築が必要です。特にオフセット印刷の工程では、「色基準の策定」が最も重要な項目です。

アイコンキャラクター赤色POINT

①色基準の策定
印刷工程にかかわるさまざまなデバイス、印刷機器の色再現の基準となる色を決めます。

②色の標準化
印刷機、プリンター、モニターといったデバイス、印刷機器はそれぞれ色の表現方法が異なります。
基準機で策定した色基準(基準印刷物)を目標にして、各デバイスに色合わせ(カラーマッチング)を行います。

③管理体制
色基準を決め、色の標準化を行ったら、それを維持させることが必要です。

カラーマネジメント実装前後の画像

色基準とは

自社の印刷の基準となる色です。一般的にはJapan Colorのような「業界標準」を採用するケースが多いですが、ブランドオーナーが基準の色を決めているなど、仕事の内容により「自社基準」を設定することがあります。富士フイルムはこれまでも20,000件以上の印刷診断の実績があり、多くの印刷会社さまで色基準の設定のお手伝いをしてきました。

色基準への合わせこみ

複数台の印刷機を保有されている場合は、どの印刷機を基準機とするかを決めます。このとき、基準機は安定した印刷品質で印刷できるようにしておく必要があります。
その後、決めた色基準に対し、基準機でベタ濃度やCTPカーブの調整などによるドットゲインの数値の合わせこみを繰り返して、目標値へ近づけます。

CTPカーブ調整のグラフ

基準値に対しCTPカーブを合わせこむ

また、色基準を決める上でもう一つ重要なポイントは、安定した印刷ができる環境を構築することです。
「印刷は色がズレて当たり前」ではなく、変動する要素を抑え、その変動を最小限にとどめるように努める必要があります。

印刷の色基準を決め、それを維持していくことによって「色が合わない」トラブルを解消させていけば、ムダの低減、印刷の生産効率アップにとどまらず、印刷現場と営業といった社内のコミュニケーションも円滑になります。
さらには、印刷物の色が安定していることや、納期に遅れなく対応できることで、クライアントからの信頼をより強いものにすることができるでしょう。

FFGSでは印刷の安定化を市場の大きな課題と捉え、その課題に向けたソリューションを提供しています。
今回のテーマに掲げた色基準の策定においても、色基準の決め方、印刷の安定化のお手伝いをいたします。
ぜひFFGSにご相談ください。

印刷品質管理ソリューション「GA Smile Navi」の詳細はこちらから


■関連記事

記事をシェアする

コラム一覧へ戻る