単なる設備提案だけじゃない!
刷版現場の見える化で最大限の効果を実現するには!!

記事をシェアする

自動化ソリューションコラム用_メインビジュアル

刷版工程の省人化・自動化を図るために

富士フイルムでは、“5つの省資源”を掲げ、材料・工数・エネルギー・排出・水の観点から、印刷業界の負荷を低減するソリューションを展開。お客さま企業の生産性向上、コストダウン、環境負荷軽減を図り、収益向上につながる提案をしています。今回は、この中の「工数」に焦点を当てた、FFGS独自のソリューションを紹介します。

人手不足の深刻化やコロナ禍といった昨今の社会情勢への対応として、生産性向上、人材の有効活用などによる省人化・自動化がこれまで以上に求められています。刷版工程においては、CTP化により、デジタル化、スキルレス化、効率化は進みましたが、人手を要する作業や負荷の大きい作業、単純作業がまだ多くの現場で残っており、あらゆる面での見直しや改善が必要だと考えます。

刷版工程の効率化を実現するための取り組みに、ファクトリーオートメーションによる省人化・自動化があります。しかし、ファクトリーオートメーションの機器を導入したのに、「期待していたよりも効果が少なく、対投資効果を得られなかった」「作業改善、人員配置などの課題解決につながらなかった」という声を聞きます。機器の導入にあたっては、まず十分に検討した上で判断することが重要です。では、どのような検討が必要でしょうか。


機器導入前の分析・検証が重要

ファクトリーオートメーションの効果を得るために、FFGSでは、機器導入において、次のステップが必要だと考えます。

1st:オペレーター作業を可視化する
2nd:作業工数・動線、工程の課題・ボトルネックなどを明確にする
3rd:データに基づいた設備検討、作業改善などを進める
4th:導入後の効果検証を行う

■オペレーター作業を可視化する方法

発信機(ビーコン※)と受信機を組み合わせ、FFGSが独自開発したソフトウエアを用いることで、測定対象となるオペレーターの作業時間・作業回数・移動時間などのデータを入手し、作業の傾向を分析します。
※近距離無線技術「Bluetooth Low Energy」を利用し、位置情報を得られる技術。また、その技術を活用したデバイス。屋内や地下でも利用できる。

発信機と受信機を用いた可視化システムの概要の画像
可視化システムの設置事例の画像

作業場所へ発信機(ビーコン)を設置し、測定対象のオペレーターが一日の作業開始前に、受信機の電源をオン、終了時に受信機の電源をオフするだけで、データを収集できます。

■可視化したデータからの分析事例

作業分析事例のグラフ画像

この事例のデータからは、次のようにオペレーターの作業工数や動線などを読み解き、工程の課題・ボトルネックを明確にしていきます。

・2階で出力した版を都度仕分けして、一日に12回、1階の印刷機へ版を運搬している。
→刷版工程のCTPを印刷機付近に移設してはどうか?

・ストッカーでの刷版の仕分け作業を一日に187分間(年間で748時間)行っている。
→自動振り分け装置を導入してはどうか?

・出力指示などデスクで248分間作業している。
→予想以上にデスクでの作業が多い。特に、何の作業に時間を費やしているのか?

このように、オペレーター作業の可視化を通じて、一日の作業の棚卸しをすることで、「どの作業に時間を要しているか?」「負荷の大きい作業をどの程度行っているのか?」「どの程度移動しているのか?」などが分かります。さらに、自動化できる作業と、自動化できない作業は何か、それらの工数も知ることができます。


データ分析を通じて提案できること

商業印刷の分野においては、オペレーターの業務範囲、役割、分担などは印刷会社によってさまざまです。FFGSでは、これまでに蓄積した実績データを基に、各社の実態に合った、「最大の効果が得られるファクトリーオートメーションの機器は何か?」「どこから作業を置き換えるのがベストか?」などの個別の提案と、その導入効果を提示することができます。

さらに、自動化後のオペレーターの適切な人員配置プランの検討も可能です。オペレーター作業の可視化によって、自動化後に生まれる作業時間が分かるため、「今後、オペレーターにどの業務を兼務してもらうか(多能工化)」「他のオペレーターへ作業移管をできるか(過剰な作業負荷とならないか)」などの検討が事前にできます。それらにより、機器導入後のスムーズな立ち上げや、現場作業のトラブルの防止につなげることができます。


刷版自動化ソリューション「Prepress Factory Automation」の詳細はこちら

記事をシェアする

コラム一覧へ戻る