今こそ考えたい
印刷会社のBCP対策

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今こそ考えたい印刷会社のBCP対策_MV

新型コロナウイルス感染症の影響拡大によって、近年企業で進んできた事業継続計画(BCP)の大切さがあらためて浮き彫りになり、この新たなリスクに対応する計画づくりの必要性が高まっています。これから印刷会社ではどんな取り組みができるのか、今回は印刷会社におけるリモートワークやオンライン会議、オンライン校正の事例を紹介しながら考えていきます。


今回の緊急事態宣言では、いわゆる「三密」(密閉・密集・密接)を避けるために外出自粛や在宅勤務が奨励され、印刷会社の皆様も、従業員の方々を守るために在宅勤務に向けた対応やシフトの見直しなどを行われたことと思います。
こうした対策に寄与したものの一つとして、今年4月の働き方改革関連法の施行により進められていた、リモートワークやオンライン会議の取り組みが挙げられます。

データセキュリティを守りながら
在宅で営業や制作業務を行う

印刷会社の中にはすでに、VPN(Virtual Private Network)など安全性の高い通信網と、会社保有のデータを外出先や自宅からパソコン・タブレットで操作できるようにする「リモートデスクトップ」の技術を組み合わせて、従業員がリモートワークを行えるようにしているところも出ています。
これらの会社では、もともとはこうしたリモートワーク導入で、例えば営業部員は、事務作業や見積もりのため帰社することなく外出先で効率的に業務を行い、小さな子どもを持つ制作部員は、自宅で仕事をして育児と両立できるようにしていました。その仕組みはそのまま今回の事態に対応した在宅勤務にも生かされています。

イメージ画像その①
イメージ画像その②

また、ビジネスの場で急速に広まるオンライン会議システムは、今では一般的なパソコンから鮮明な音声・映像で会話ができるだけでなく、自分の画面で表示したファイルや画像を相手の画面にも表示・共有できるようになっています。
これにより印刷会社の営業は、お客さまのパソコン画面に印刷・製本サンプルを見せながら説明したり、企画書を表示させながら提案を行ったりすることも可能で、お客さまの元に訪問せずに商談や提案営業を進めることができます。今後は平時にもこうした仕組みが役立つと考えられます。


営業の訪問を必要最小限にできる
オンライン校正システム

今回は、制作中の印刷物に関する要件であっても、営業がお客さまを訪問しにくいという事態にもなりました。こうした状況により柔軟に対応し、従業員の在宅業務もより円滑にするための対策の一つとして、オンライン校正システムも考えられます。

オンライン校正システムでは、場所や時間を問わずウェブ上などで、お客さまからの画像・原稿の支給、制作者から校正の確認出し、お客さまによる修正指示の書き込みなどが行えるため、制作部門・営業部門・お客さまの人的な行き来を最小限に抑えることができます。今回の事態を受け、お客さまからも印刷会社にオンライン校正についての問い合わせが寄せられるケースも出てきています。
なお、こうしたシステムの操作に不慣れなお客さまなどには、オンライン会議システムと組み合わせて、印刷会社営業がオンライン校正の画面をお客さまに見せながら、校正指示を入れたり、修正後のデータを一緒に確認(検版)したりということも可能です。

イメージ画像その③

また、お客さまの元に訪問はできないが色校正はやはり見てもらいたい場合、宅配便などで送ろうとすると、配達時間の確保のためには工程にある程度の余裕が必要になります。オンライン校正システムでは、データ提供や校正指示がリアルタイムに行えて待ち時間が少なくなるため、校正や校了までの期間が短くなり、色校正を宅配便で送るという選択肢も可能になります。
なお、システムによっては、お客さまがウェブ上で印刷物の最終的な色成分を確認できたり、CMYKの分版や演算結果を正しく反映したPDFを、お客さまの手元のプリンターで出力して確認できたりと、お客さまにより安心していただけるような運用も可能となってきました。

東日本大震災後、印刷会社のBCP対策として、遠隔地に相互で協力体制がとれるパートナー会社をつくっておくという必要性も認識されました。オンライン会議やオンライン校正は、その際の円滑な業務連携にも大いに役立つと考えられます。
このようなBCP対策は、今後、従業員やお客さまの安心や満足度にもつながり、人材の確保や定着を図るという観点からも、重要になっていきそうです。

次回は、東日本大震災で重要性が認識された、印刷会社の資産ともいうべきデータの保全・管理に関して、どのようなBCP対策ができるかを考えていきます。

FFGSでは、印刷会社様のリモートワークやオンライン会議、オンライン校正に関する事例の情報を蓄積しており、お客さまの環境やご要望に合わせて、情報のご提供やシステムのご提案を行うことができます。ぜひお気軽にご相談ください。

※公衆回線を経由して拠点間を接続、暗号化などによって外部からは通信の内容を読み取れない専用の通信網を構築するもの。


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