SDGsの取り組みを一緒に考えよう!
富士フイルムのSDGsの取り組み

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SDGsの取り組みコラムMV

2015年9月に国連サミットで採択されたSDGsは、「持続可能な開発目標」であり、誰一人取り残さないことを目指し、「気候変動」や「ジェンダー平等」、「働きがいと経済成長」などの17の目標が設定されています。日常生活においても、さまざまなメディアでSDGs達成に向けた取り組みについて目にする機会が増えてきました。

これまでも印刷会社では、企業活動の中で「環境配慮」や「働き方改革」に取り組まれ、FG Platzにおいてもそれらの記事に注目が集まっています。このような取り組みをSDGsの17の目標に照らすと、「環境配慮」は、7番のクリーンなエネルギー、14番の海の豊かさ、15番の陸の豊かさに、「働き方改革」は、3番の健康と福祉、5番のジェンダー平等、8番の働きがいといった目標として設定されており、より具体的なアプローチが見えてくるのではないでしょうか。

本コラムのシリーズでは、皆さまと一緒にSDGs達成に向けた取り組みを考えていきます。
皆さまからの情報をもとにした記事の作成も考えていますので、ぜひアンケートにご協力をお願いします。

皆さまのお声をお聞かせください

今回は、富士フイルムグループの各製造拠点におけるエネルギー、廃棄物と環境保全に関する活動事例から、印刷会社にとってヒントになる情報をご紹介します。

Innovationにより持続可能な社会を実現

CSR図版

富士フイルム CSRの考え方

富士フイルムグループの創業の原点といえる写真フィルムは、製造時に「大量の清浄な水と空気」が不可欠であり、撮影前に試すことができない「信頼を買っていただく商品」です。そのため、当初より事業活動の根底には“環境保全”と“ステークホルダーからの信頼”があり、これが私たちのCSRの原点であり、DNAとなっています。この原点を忘れずに、誠実かつ公正な事業活動を通じて企業理念を実現することにより、社会の持続可能な発展に貢献していきます。

富士フイルムの各生産拠点における環境対応

■事例1:環境配慮の取り組み(富士フイルム 吉田南事業場)
CTPプレートなどの生産を担う富士フイルム 吉田南事業場の取り組みをご紹介します。電力は、天然ガス燃料のコジェネレーションシステムで発電し、同時に生産した蒸気を事業場内での乾燥工程で活用することにより、エネルギーの効率的な運用と環境負荷の低減を達成しています。天然ガスを用いることで、CO2排出量を低減しています。また、廃棄物の単純償却や埋め立て処分をゼロ化する、ゼロエミッションを2001年に達成し、維持継続しています。さらに、吉田南事業場で発生する廃棄物は、生産工程から出たものもそれ以外のものも、その種類に応じた方法で全て再資源化しています。
さらに、排ガスとなったメチルアルコールなどの有機化合物を完全に燃焼処理するため、2002年に導入したRTO 3塔式蓄熱熱分解装置で大気へのVOC(揮発性有機化合物)排出量を削減しています。

天然ガスジェネレーションシステムとRTO3塔式蓄熱分解装置

富士フイルムグループでは、2003年以降、自家発電設備やボイラー燃料について、重油から都市ガスへの転換を積極的に進めており、現在使用している燃料の約90%はCO2排出量の少ない天然ガス由来となっています。
富士フイルム富山化学では、ボイラー燃料を重油から都市ガスに転換し、年間約1,052トンのCO2排出削減を達成しました。

FFTC富山ボイラー燃転後

富山第一工場の燃料設備

■事例2:クリーンルームの空調設備の運用見直しで消費電力を削減
(富士フイルムオプティクス 栃木県佐野事業場など4拠点)
光学・電子映像事業の生産部門である富士フイルムオプティクスでは、4つの製造拠点が連携し全社一体で省エネ活動を進め、CO2排出量を対前年で2,300トン削減しました。代表的な取り組みとして、栃木県の佐野事業場第4製造部では、主要設備を機能別に分類し稼働状況を分析。無駄な消費がないかなど、使用電力の見える化を行いました。その結果をもとに、消費電力が全体の約45%を占めるクリーンルームの空調設備を中心に運用条件を見直し、生産エリア別に空調の設定温度や稼働時間を最適化することで、部門全体の消費電力を対前年で16%削減することができました。

SDGsの取り組み_図版

クリーンルームの空調設備の運用条件見直しで消費電力削減

■事例3:近隣企業と共同で廃水処理(オランダ工場)

オランダのチルバーグにあるCTPプレートなどの生産を担うFUJIFILM Manufacturing Europeでは、2011年に工場敷地内に5基の風力発電タービンを設置し、また2015年には購入電力についても風力由来の電力に切り替えることで、工場のすべての使用電力を風力由来発電でカバーしています。

オランダ工場

風力発電タービン

また、2016年に敷地内に建設した大規模廃水処理施設を近隣企業3社と共同利用しています。この施設では、オランダでは珍しい「膜分離活性汚泥法(Membrane Bio Reactor)」方式を採用しており、1日1,000万リットルの水を処理できます。4社からの廃水を安全かつ効率的な方法で浄化し、地域の廃水処理場の負荷軽減に貢献しています。将来的には、浄化された水を自然や農業に還元できる形で利用することを目指しています。

オランダ廃水処理施設①

廃水処理施設

ICT活用によりトラブルを未然防止 環境保全の取り組みを強化

■事例4:水質変動時の初動を早める(富士フイルム 神奈川事業場)
富士フイルム 神奈川事業場では、従来、構内河川などに設置してある監視計器が夜間に水質変動を検出した際、緊急呼び出しにより現場到着後に確認と対応を行っていました。この初動を少しでも早めるため、関連データをICTで管理し、遠隔で情報入手可能とすることで、異常の早期把握と適切な一次処置を行う仕組みに改良しました。

廃水トラブル対応迅速化

■事例5:煤煙排出等を監視カメラで24時間監視(富士フイルム 富士宮事業場)
富士フイルム 富士宮事業場では、ボイラーの燃焼状態や煙突からの煤煙排出状況を確認できる監視カメラを設置し、離れた場所にある中央制御室から、24時間監視できるようにしました。

監視モニター

中央制御室でのモニタリングの様子


富士フイルムグループの取り組み事例をご紹介しました。富士フイルムでは省エネルギーでCO2排出削減が可能な製品・サービスの開発と提供により、社会でのCO2排出削減に取り組み、脱炭素社会の実現を目指しています。
今後のシリーズでは、印刷会社の取り組みや、富士フイルムの製品を通じたSDGsの目標達成への貢献についてご紹介する予定です。

皆さまのお声をお聞かせください


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