届くべき人に届くように。
装丁は、作家と読者の縁をつなぐ仕事。

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届くべき人に届くように。装丁は、作家と読者の縁をつなぐ仕事。MV

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ブックデザイナー
鈴木 久美氏

東京造形大学デザイン科卒。在学中より高麗隆彦氏のアシスタントを務めた後、角川書店装丁室に勤務。夏の文庫フェア「かまわぬ」コラボシリーズを大武尚貴氏と共に立ち上げから手がけるほか、数々のベストセラーの装丁を担当。2014年に独立。主な仕事に『狩人の悪夢』有栖川有栖(KADOKAWA)、『にほんの詩集 谷川俊太郎詩集』谷川俊太郎(角川春樹事務所)、『盲目的な恋と友情』辻村深月(新潮社)など。『52ヘルツのクジラたち』(町田そのこ著、中央公論新社)『汝、星のごとく』(凪良ゆう著、講談社)など本屋大賞受賞作品を手がけるヒットメーカーとして注目される。


装丁の仕事に導いてくれた
素敵な本との出会い

 鈴木久美さんのお仕事を見ていると本への愛情が伝わってきます。本が好きなのは子どもの頃からですか?

鈴木 はい。小さいときから本は大好きでした。と言っても、両親共に読書家だったとか、家に大きな本棚があったとかそういう大層な環境ではなく、ただただ本屋さんに行って本を眺めるのが好きで、行くたびにお店に貼ってある“今月の新刊”をチェックするような、そんな子どもでしたね。

 かなりマニアックな少女ですね(笑)。

鈴木 もともと紙そのものが好きで、小学生の頃は、進級して新しい教科書をもらうと真っ先に紙の匂いを嗅いでいました(笑)。折り目をつけるのも嫌だから頁をそっと開いたり、書き込みも出来る限りしたくなくて……。紙に触れることが好きで、文房具屋さんで色紙を買って、文庫カバーやカセットテープのインデックスカードを自作したりしていました。

 すでに装丁家じゃないですか(笑)。幼少からの読書歴の中で、分岐点みたいなものはありましたか?

鈴木 高校生になって、これまでとは違う大人っぽいことをしてみたくなって。あまり触れてこなかった国内ミステリーを読んでみようと思い、雑誌の特集をチェックしてはいろいろな作家の作品を読むようになりました。その中で出会った本に衝撃を受けたんです。有栖川有栖さんの『幻想運河』と『海のある奈良に死す』という作品です。表紙がとにかく美しくて、それまで読んでいた文庫やノベルスとも雰囲気が全然違っていて。単行本なので高かったんですけど、お小遣いを貯めて2冊とも順番に買いました。

 まさに運命の出会いですね。どういうところが魅力的だったんですか?

鈴木 この2冊はコラージュを用いた装丁なんです。でも、あまりに美しく作り込まれていて、当時の私にはコラージュかどうかもよくわかりませんでした。高校生なりの美術の知識であれこれ考えてみても謎が解けず、これはいったい何なんだろうと気になって、理科の教材で持っていた子ども用のルーペで隅々まで観察してみたりして(笑)。タイトルの文字も、当時は写植を知らないので、どういうレタリングをしているんだろうと。紙の質感も、教科書じゃなく資料集に使ってあるようなしっとり感があり、色も真っ白ではなくて。いまなら「クリーム系の紙に4色印刷を重ねてマットPP加工しているんだな」ってわかるんですけど、当時は「?」だらけで、表紙をいろいろな角度から観察しながら悶々と過ごしていました。

 本のつくり自体が鈴木さんにとってはミステリーだったんですね(笑)。

鈴木 そうですね。作品そのものも面白かったのですが、表紙だけじゃなく本文の文字組にも趣向が凝らされていて、そこにも興味を惹かれました。『幻想運河』はアムステルダムが舞台で、ドラッグでのトリップ体験やバラバラ殺人が題材になっているのですが、その怪しさを文字の組み方で表現しているんですね。文字が多色刷りで、一部の色が変わっているのも初めて見ました。感心しているうちに、ふと「こんな素敵なことを誰がやっているんだろう?作家本人?出版社の人?」という疑問が湧いてきて、本を隅々までチェックしたら『装丁 大路浩実』という表記を発見したんです。装丁という言葉を辞書を引いてみたところ「これだ!」と確信して。本はストーリーを楽しむだけのものじゃない、装丁という世界もあるんだと意識した最初の体験でした。

鈴木氏

美大のコンペで
装丁の本質を知る

 高校時代に装丁の仕事を意識したなら、美術大学のデザイン科に進むのは必然とも言えますね。

鈴木 実は美術大学への進学を意識したのはもっと前、小学生のときなんです。絵を描くのが好きだった私に、先生が「あと何年か先にも絵を描くのが好きだったら、絵のことだけを勉強できる美術大学を目指すといいよ」とアドバイスしてくれて。苦手な算数なんかやらなくてよくて、毎日絵を描いていられる学校があるのか、という認識でしたね(笑)。高校生になって装丁という仕事を知ってからは、より具体的な目標に向かっていったという感じです。

 それで、絵を描く学科ではなくデザインの方を専攻したわけですね。

鈴木 元々、私は絵を描く時の自由課題があまり得意じゃなくて。好きなものを何でも描いていいとか、粘土を渡されて好きなものをつくってごらんと言われた途端に何をしたらいいかわからなくなってしまうんです。逆に、この風景を写生しましょう、この物語の印象的なシーンを絵にしてみましょうという課題なら、この色を使ってみたい、こう描くと面白いんじゃないかとどんどんアイディアが湧いてくるタイプの子どもでした。だから素材や目的があってクリエイティブが始まる、という“デザイン系”に向いていたんでしょうね。

 大学在学中はどのように過ごされたんですか?

鈴木 在学中はアルバイトの掛け持ちをしてとにかく忙しかったですね。雑誌系のデザイン事務所と、恩師で装丁家でもある高麗隆彦先生の事務所で働いていました。一度、大学の授業で装丁の学内コンペティションに参加する機会があり、運良くデザインが選ばれて、その本が実際に出版されたことがあったのですが、とてもいい経験でした。

 いかにも美大ならではの体験ですね。

鈴木 出版社と製紙会社の王子製紙が協賛で、これから実際に出版する本の装丁を提出し、教授と出版社の方が審査するというものでした。ノンフィクション系の翻訳作品だったんですが、出版後、編集者の方に「あなたの作品が一番“問いかけ”がありました。装丁とは読者に問いかけるものなんですよ」と声をかけていただいたのが嬉しかったですね。なるほど、装丁で答えを出す必要はない、むしろ出さない方がいいんだなと腑に落ちて。その言葉をノートに書いて、ずっと大切にしてきました。


移り変わる読者の気持ちで
装丁前にゲラを読み込む

 卒業後はそのまま出版社へ?

鈴木 出版社の装丁室に入りたいという気持ちが強くありましたが、当時、社内に装丁室を抱える出版社は数社程しかなくて。加えて定期的に新卒採用がある職種ではないため、装丁室への就職を希望する場合は、どこかの装丁室で欠員の募集がかかるのをじっと待たなくてはならないという状況でした。卒業後も高麗隆彦先生の事務所でアシスタントをしていましたが、ほどなく角川書店の装丁室に空きがでて中途採用をするという情報が入り、応募をして。中途採用に期待されるようなキャリアがあったわけではないのですが、たまたま運良く採用していただけることになり、所属デザイナーとなりました。本当に運がよかったなと思います。

 装丁室でのお仕事はどんな感じでしたか?

鈴木 書籍を一からデザインしていく経験がなかったので、最初はフォーマットの決まっている文庫から手がけていきました。文庫といってもカバーだけでなく、帯や巻末広告、投げ込みの新刊案内などいろいろな要素があって、それらを並行して進めていきます。誰がどの本を担当するかは、主に編集者からの指名によって決まる、という感じでしたね。編集者が各デザイナーの個性や得意分野を見ていて、直接依頼が来る、というシステムでした。

 常駐していると言っても、フリーランスに近い形ですね。

鈴木 そうですね。駆け出しの私は実績が少なくて、どんなデザインを頼めるのか内部の編集者もわからない状態ですから、最初は指名も少なかったです。指名が来たら一生懸命“求められるデザインをしていく”ことを心がけました。出版物はすべて社内に並べられますから、つくった本が編集者の目を引けば新たな指名につながっていくわけです。地道な積み重ねが必要ですし見方によっては厳しいシステムだと思いますが、そこから学んだ面や鍛えられたことも多いですね。

 自分らしいデザインを考えていく上で、担当される本のゲラは読まれますか?

鈴木 出来る限り読みます。装丁を考える前に一度読者の気持ちになりたいな、という思いもあって。「読み始めるとき・読んでいるとき・読み終えたとき」それぞれに湧き上がってくる感情を大切に覚えておいて、読後あらためて、今度は装丁家の視点で表紙の意味を考えてみる。そうした地道なプロセスがないと、私自身、本の佇まいをうまく掴めないんです。

 出版社の装丁室ならではの仕事の進め方というのがありますよね。フリーランスやデザイン事務所で装丁を受けるのとは違う…。

鈴木 出版社の中で仕事ができるという環境は、とてもありがたかったです。社内に制作部や資材部があって、印刷所や製本所、紙業者などの営業の方も頻繁に来て下さっていて、皆さんがいろいろなノウハウを教えてくださるんです。紙見本も膨大な量がストックされ、最新のものも営業の方がすぐに持ってきてくれて、実際にそれを使ってつくった本を手にとって見ることもできますし。

 フリーランスやデザイン事務所のデザイナーだと、個人で得られるものから学んでいくことが多くなりますよね。

鈴木 とくに印刷に関しては、毎日3回、入稿物のピックアップで営業担当の方が来てくれて、そのときいろいろな相談に乗っていただきました。「今度こういうことをやってみたいけど難しいですか」とか「この新しい技術や資材を使うとどんな装丁が可能になるんですか」とか。装丁の仕事に取り組みながら日々じっくり学んでいけたことには感謝しかありません。

図版1
『ペンギン・ハイウェイ』森見登美彦/角川書店
人気作家・森見登美彦のターニングポイント的作品。表紙をめくると帯裏にタイトルモチーフのペンギンがあしらわれ、少年の成長の物語に読者が自分を投影するかのような鏡面仕立ての化粧トビラが目を惹く。
図版2

チームで挑んだ文庫装丁は
大胆なアプローチで成功

 角川時代、とくに印象に残っているお仕事はありますか?

鈴木 角川書店では、各フェアなどチームで手がけるプロジェクトもありました。その一つ『夏の文庫フェア』は毎年恒例のフェアなのですが、中でも夏休みの読書感想文によく選ばれる文豪作品をどうやって売っていくかというのは、毎年、大きな課題となっていました。たとえば夏目漱石や太宰治などの名作は他社の文庫にもラインナップされているのですが、あえて角川文庫を選んで手に取ってもらうにはどうしたらいいのか。先輩のデザイナーと一緒に考え、思いついたのが、手ぬぐいブランド『かまわぬ』とのコラボレーションでした。ちょうどその頃、若い女性の間で和柄の小物が流行り始めていたので、これを文庫のカバーにしたら書店で目も惹くし、次々と集めたくなるんじゃないかと。文庫は通常、コート紙にPP加工をした光沢のあるカバーなのですが、紙も変え、手ぬぐい柄に合わせて布のような質感を再現し、タイトル文字の大きさも少し抑えるなど、これまでの角川文庫にないアプローチを提案したところ、編集長や制作部みんなで応援してくれました。チームのみんなでつくり上げた装丁、という感じですね。おかげさまで店頭での反響もよくて、翌年からシリーズ化され、いまも続いています。

 店頭では、ほんの一瞬でその本の印象が決まりますよね。

鈴木 読者と本の最初の出会いのお手伝いをするのが装丁の役割だと思っていますが、だからこそ大切にしているのは初版のときの顔、最初の佇まいですね。本は売れて話題になると『本屋大賞受賞作』とか『直木賞候補作』などと帯文が変化したり、映像化されるとそのシーンを使った期間限定の装丁になったりもしますが、だからこそまず最初に、ブレない芯になるものを表現しておくことが大切かなと思っています。

 一瞬目に止まったあと、つい手に取ってみたくなる本がありますよね。

鈴木 いまは電子書籍で中身だけ読めればいいというような風潮もありますが、「この作品は本の形で買いたい、持っていたい」と思ってもらうことも装丁の大きな役割の一つではないでしょうか。そういう気持ちもあって、買った人にだけわかる楽しみを盛り込むことも、時々やっています。たとえば、帯を外さないと見えないところにイラストを忍ばせておいたりとか。作家さんのなかには、カバーや帯の裏面に特別な短編小説を載せる方もいるんですよ(笑)。外して見るのは買った人だけのお楽しみです。図書館で借りた本ではテープ貼りされていて外せないですし。洋服で言うと、見えない裏地にきれいな色の布を使って楽しむ感覚に近いですね。そういう仕掛けを入れ込むことで、読者が本に対する新たな気づきを得たり、本に触れる時間が楽しくなったりすれば嬉しいなあと思います。

図版3
角川文庫「かまわぬ」コラボシリーズ ※カバーの絵柄は(株)かまわぬの
和柄の手ぬぐいで人気のブランド「かまわぬ」と、夏の文庫フェアの定番品“感想文に最適な名作”がブックカバーでコラボ。布の質感を再現する紙を使う斬新さや、集めたくなる柄の展開でヒットし、現在もシリーズ継続中。
図版4

美しく作品と響き合う
奥深い装丁の世界

 角川書店からの独立後、ますます個性勝負の厳しい状況の中、マイペースで「らしさ」に磨きを掛け続けている鈴木さんですが、鈴木さんの装丁は、イラストや写真を使ったイマジネーションの豊かさが一つの持ち味になっていますよね。若手の画家やイラストレーターの作品を積極的に起用してブレイクのきっかけをつくったり。

鈴木 角川時代、仕事の中心がエンタテインメント小説だったためか自然にイラストや写真を使うことが多くなったような気がします。作品のイメージも表現しやすいですし。私自身は特別絵画に詳しいわけではないのですが、絵を見るのが好きなこともあり、いいなと思う絵画やイラスト、パッケージを日頃からチェックするように心がけています。ネットやSNSで話題になった作品を見てピンときたら、その画家さんやイラストレーターさんに声をかけて作品をお借りしたり描き下ろしてもらったり……ということも少なくありません。私自身が嬉しいというのもありますが、素敵な絵を本のために描いてもらったら、本を出す作家さんも本を手に取る読者も嬉しいんじゃないかなという気持ちもあって。

 みんなが“嬉しさ”という一つの縁で結ばれるわけですね。

鈴木 画家さんやイラストレーターさんの人気が上がって本が注目される、というケースもありますが、基本的にはその作家さんの本を心待ちにしている読者が嬉しい気持ちで手に取ってくれるのが一番だと思っています。女性っぽいエッセイなら柔らかいイラスト、クリアな視点が欲しいときは写真といった具合に、あくまでも作品の世界観に合わせて表現の手法を選ぶようにしています。

 本屋大賞に選ばれた凪良ゆうさんの『汝、星のごとく』と続編の『星を編む』の美しい装丁は印象的でした。

鈴木 あれは作中に登場する“リュネビル刺繍”の作品写真をお借りしたものなんです。あまりにも繊細な刺繍なので、これを鉱物の写真だと思っている人もいるみたいなのですが、そこはあえて説明せず、読者自身が読み終わったあとにふと気づいてくれたらいいなと思います。

 素材の色彩が繊細だと印刷の仕上がりにも気を使うのではないですか?

鈴木 私の場合、校正用紙に赤字で修正指示を入れるのではなく、データに直接手を入れて戻すようにしています。たとえば「この赤をもっと鮮やかに」と文字にしても、人によって鮮やかさの感覚は違うので……。曖昧な言葉で印刷現場にすべてお任せにするのではなく、自分の感覚でレタッチした方が理想の着地にも近づけやすいと思うんですね。


ベストセラーだけでなく
人生を共にしてもらえる本を

 鈴木さんは、多くのベストセラー作品に関わっている装丁家のお一人だと思いますが、売りに結び付ける特別な何かを持っていらっしゃるんでしょうか(笑)。

鈴木 私自身、あまりそういったことは意識していないです。本に対してこういうデザインがしたいという思いが強すぎると、まるで“自分の作品だ”と錯覚してしまいがちですが、デザイナーはあくまでも裏方、黒子の存在です。本の主役は作家さんなのに、誰それのデザインだとわかってしまうのは逆に変じゃないですか。役者さんの演技を見ながら、あのスタイリストが担当したんだなあ、なんて思い浮かべるみたいで(笑)。装丁は本と読者をつなぐ仕事であり、それは作家と読者の縁をつなぐことでもあります。こんな作品に出会えるといいなと思っている読者に、届くべき作家さんの本がちゃんと届くよう、陰ながら装丁でお手伝いできたらいいなと、いつもそんなふうに思いながら作業をしています。

鈴木氏2
図版5
『汝、星のごとく『』星を編む 』凪良ゆう/講談社
瀬戸内海の島で出会った若い男女が遠距離恋愛になり、立場も関係も変わってゆく中で揺れる気持ちを描いたベストセラーで2023年本屋大賞1位に輝く。装丁に、ヒロインの暁海が夢中になるリュネビル刺繍の作品写真を使っている。

 ゲラを読んだ段階でベストセラーになるんじゃないかとわかることはありますか?

鈴木 読んだ時点で、あ、これはたぶん売れるんだろうなってわかるときがあります。送り手がつい仕事を忘れて夢中で読んでしまうような作品は、やっぱり読者にもちゃんと届くというか。書店でも長く売れていく印象がありますね。

 売れそうな本にはどのような装丁がいいというような、特別なアプローチみたいなものはあるんでしょうか。

鈴木 マニアックにならず、できるだけたくさんの人に手に取ってもらえるように意識してデザインしています。たとえば、どんな本にもターゲット層というのがありますよね、若い女性向けとか、熟年世代向けとか。ベストセラーになると、最初に想定した層よりも、話題になるに従って急激に裾野が広がっていくんです。読者層や年齢層も。そういった予感がある本は、世代を問わず読みやすいように少し文字を大きめにするとか、普段あまり本を読まない人でも、ふらっと入った書店で見つけやすいように印象的な色使いにするとか、より広い世代に手に取ってもらえるような配慮を、あらかじめしておくことも多いですね。

 本の製作過程で、そこまで読者に寄り添った装丁を実践しているわけですね。

鈴木 その本を本当に必要としてくれる人に届いたら、本は読み捨てられることなく、そのあともずっと本棚に残るかもしれない。転居や進学、就職や結婚で環境が変わっても、たまに読み返したり、家族や友達に貸したり返してもらったりしながら一生を共にしてくれたら本当に嬉しいです。いつだったか印刷所の人が『自分は本の中身をつくっているわけじゃないけれど、自分の印刷した本が本屋に並んでいるのを見ると、とても嬉しい』と言っていたことがあって。その言葉がいまも忘れられません。

鈴木氏3

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