株式会社キャスト西野様
多彩な用紙と特殊トナーを駆使し、独自の付加価値提案で差別化目指す
長年培ってきたデザイン力・データ制作ノウハウも活かし、“いままでにない表現”を追求

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株式会社キャスト西野事例紹介MV

Revoria Press PC1120導入事例


社屋外観

石川県を拠点に各種コンテンツ制作および印刷事業を展開する株式会社キャスト西野(本社:石川県金沢市横山町25-12、代表取締役社長:西野秀夫氏)は、2023年に導入した富士フイルムのプロダクションプリンター『Revoria Press PC1120』(以下 PC1120)を活用し、特殊トナーや特殊紙などを駆使しながら、独自の付加価値提案に取り組んでいる。新たな主力機としてPC1120を選択した経緯や、具体的な活用例、メリットなどについて、代表取締役社長 西野秀夫氏、プリンティングチーフ 内田由美子氏、制作部 チーフ 富佳代子氏に伺った。


■「可能性の大きさ」で選んだPC1120

 キャスト西野は、1924年(大正13年)、『西野印刷所』として創業。その歴史は、活版印刷によるナンバリングから始まる。銀行の通帳や小切手など、わずかなズレも許されない印刷物を数多く手がけ、精度への意識・技術を徹底的に磨いてきた。1950年代以降、一般商業印刷へと軸足を移してからは、生産設備も活版印刷からオフセット印刷、そしてデジタル印刷へと、時代の変化に対応し進化させてきた。1988年には社名を『キャスト西野』へ改称。近年は、デザイン・制作部隊を強化し、印刷のみならず、Webや動画、デジタルサイネージなども含めたコンテンツ制作を幅広く手がけている。
 同社のデジタル印刷機の活用歴は長く、2001年、他社に先駆けて導入した『Color DocuTech 60』から続いている。以来25年にわたり、小ロット案件への柔軟な対応力や、制作と出力のシームレスな連携体制などを強みとしながら、オンデマンド印刷サービスを事業の柱の一つとして育ててきた。
 こうした流れの中で今回、次世代の主戦力として導入されたPC1120。従来機が更新の時期を迎えたことが検討のきっかけではあったが、機種選定にあたって重視したのは、単なる生産能力の向上ではなく、「新たにどんなことができるか」という“可能性の大きさ”だったという。
「これまでもデジタル印刷機は使い続けてきましたが、旧型機の単純な入れ替えでは意味がないと思っていました。新しいデジタル機を入れることで、どんな提案ができるようになるのか、どんな仕事が増えるのかを第一に考えました」(西野社長)


■圧倒的な見当精度から、新たな用途のイメージが膨らんだ

 検討の過程で、同社がまず注目したのが、PC1120の見当精度の高さである。西野社長は「従来のデジタル印刷機では難しかった高精度な重ね刷りなど、新たな用途がイメージできた」と振り返る。
これだけの見当精度があれば、たとえば、ホワイトトナーを重ね刷りして盛り上げることで、点字印刷ができるのではないかと考えました。実用化できれば、名刺などに展開していこうと。そのほか、複雑な後加工を前提とした印刷においても、この精度の高さは活かせるだろうと感じました」(西野社長)
 また、多彩な特殊トナーをワンパスで活用できる点も、PC1120選択の大きな理由の一つであった。ゴールド、シルバー、ホワイト、クリアといった特色を、デジタル機で自在に使えることは、小ロット・高付加価値ニーズに応える上で重要なメリットになる。
 機種選定にあたっては、他社製デジタル印刷機も展示会などで比較は行なったものの、候補に入れて詳細に検討するところまでは至らなかったという。その背景には、長年の富士フイルム製デジタル機の使用実績と、メンテナンスサポートへの信頼があった。
これまで富士フイルムさんのデジタル印刷機を使ってきた中で、品質面はもちろんですが、サポート体制がしっかりしているという安心感がありました。シビアな条件の仕事では、エンジニアの方が付きっきりでサポートしてくださることもあり、とても信頼できるパートナーだと感じています」(西野社長)
 いわば“新しい挑戦のための投資”と言える新機種導入であることから、ハード・ソフト両面の信頼性の高さは、同社にとって不可欠な要素だった。

現場
専任のオペレーターは置かず、制作部門のメンバーがデザインから出力まで一貫してこなしている

■複雑な後加工や特殊紙を用いる仕事でメリットを発揮

 PC1120の導入から約2年あまり。実際に運用する中で、どのようなメリットが生まれているのだろうか。
従来機に比べると、トナーがより細かくなり、オフセットに近い仕上がりになっていますね。色に厳しい仕事でも、オフセットからPC1120に問題なく切り替えることができています。安定性も高く、リピートの仕事で前回の色に合わせて出力する際にも、手間をかけずに合わせ込むことができます」(西野社長)
 後加工の精度が要求される仕事では、見当精度の高さが活きているという。
「先日、複雑な形状の絵柄を面付け出力した後にトムソン抜きを行なう仕事がありました。余白がほとんどないシビアな条件でしたが、まったくズレることなくスムーズに加工できました。少ロットジョブでの色の安定性や見当精度の高さは、オフセットより優れていると感じますね」(西野社長)
 また制作部門では、特殊トナーを活かした新しいデザイン表現にもチャレンジしているという。
デザインしたデータを、そのまま自分たちで出力でき、しかもその結果が信頼できる再現になっているので、頭の中のイメージと仕上がりをすぐにすり合わせられます。特色を使う表現は、実際に刷ってみないと分からない部分が多いのですが、すぐに試せて、その場で確認できるのは大きなメリットですね。お客さまへの提案の幅も広がったと感じています」(富氏)
 紙の種類や質感に応じた表現についても、日々研究しながら、ノウハウを蓄積している。その中で、TX(テクスチャード)トナーを活用した特殊紙への印刷は、同社の強みの一つとなっている。
凹凸のある紙や和紙系の用紙でも、TXトナーを使うことで細かい文字までしっかり再現できるので、たとえば祝賀会の席次表など、凝った用紙でなおかつ文字の可読性も求められるような印刷物では、とくに効果的です」(内田氏)
 小ロットで特色・特殊紙が使えることは、コスト面でのメリットも大きいという。
「最近、特注の高価な用紙でゴールドを使う小ロットの仕事があり、PC1120のメリットを実感しました。オフセットではどうしても50~100枚ほどヤレ紙が出てしまうため、ロットが少ないとかなりのコスト高になってしまいます。しかしPC1120であれば、予備紙を10枚程度見ておけば充分なので、用紙代を最小限に抑えることができます。小ロットで特色を使えるというのは大きな強みになりますね」(富氏)
 同社はこのほかにも、黒い用紙にホワイトトナーをダブルで打ち、そこに4色+シルバーを乗せたり、PPの代わりにクリアトナーを全面に敷いたりと、特殊トナーを工夫して使いながら、付加価値の高いデザイン表現や、耐久性・耐水性などの機能性を持たせた印刷物を提供し、クライアントから高い評価を得ている。

PC1120で出力した印刷物。特殊紙や特殊トナーも活用し、デザイン表現のバリエーションを広げている。
右は、ホワイトトナーを30回重ねて作成した点字のサンプル

■「高精度な見本」を提示することでクライアントの信頼向上

 PC1120の導入効果は、製造面だけにとどまらず、営業・提案のプロセスにも表れているという。その大きな要因は、最終仕上がりとほぼ同等のサンプルを、短時間で用意できるようになったことである。
「以前は、説明だけでご理解いただく必要がありましたが、いまは実物を見て判断していただけます。サンプルをお見せしながら説明すると、その場で話がまとまるケースも多いですね。とくに特色や重ね刷りなど、言葉では伝わりにくい表現を使う場合、実物サンプルの効果は大きいと感じています」(西野社長)
 その結果、商談から受注までのプロセスも短縮。また、クライアントとの間で仕上がりに対する認識のズレがなくなったことが、納品後のトラブル削減にもつながっているという。
 色に厳しい仕事においては、PC1120の色安定性の高さが活きている。
転びやすい色味でも、PC1120は安定して再現できます。色校正から本刷りまで同じ機械で出力でき、しかも変動がないので、安心感が違いますね」(内田氏)
 こうしたメリットが、同社のサービス向上、そしてクライアントからの信頼度向上につながっている。
 一方、現場では、PC1120の操作性の高さが運用面での大きなメリットを生み出している。
当社では、出力専任のオペレーターを置かず、制作部門のスタッフ全員がPC1120のオペレーションに携わる体制をとっています。これができるのも、スキルレスで使いこなせるPC1120ならではですね。特定の人しか使えない“属人化した状態”にしてしまうと、現場が硬直してしまいますから、誰でも扱えることはとても重要だと感じています。必要に応じて事務職のスタッフが操作することもあり、繁忙期でも柔軟に対応できています」(西野社長)


■独自の活用ノウハウを蓄積し、自社にしかできない提案を

 PC1120の導入によって、同社では、新たな表現、新たな提案に挑戦する気運が、以前にも増して高まっているという。トナーと用紙と後加工の組み合わせで何ができるのか、試行錯誤を重ねることで、ノウハウが蓄積されている。
同じ機械を持っていても、“どう使いこなすか”によって、提供できる価値は変わってきます。PC1120を通じて積み上げたノウハウは、簡単には真似できない当社の財産になりつつあると思っています」(西野社長)
 同社が目指すのは、価格で比較されるのではなく、提供する品質や対応力によって積極的に選ばれる存在。そこに、一歩ずつ確実に近づいている。
「他社と同じことをやっていては、どうしても価格競争になってしまいます。そうならないよう、これまで積み上げてきたデザイン・データ制作などのノウハウも活かして、『キャスト西野にしかできない』という仕事を増やしていく。お客さまに『ぜひここに頼みたい』と思っていただける提案をしていきたいです」(西野社長)
 もちろん、探求と挑戦を続ける姿勢は、これからも変わらない。
「たとえ今すぐ仕事につながらなくても、いざ求められたときに対応できることが強みになります。新しい表現や技術には、今後も前向きに挑戦していきたいですね」(西野社長)


■お客様プロフィール
株式会社キャスト西野
住所:石川県金沢市横山町25-12
URL:https://www.castweb.co.jp/

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