株式会社 加藤文明社 様
クリエイターとの共創拠点に
『Jet Press 720S』を導入
創造力を存分に発揮できる環境を実現

記事をシェアする

case_study18_mv

B2サイズ枚葉型インクジェットデジタルプレス「Jet Press 720S」 導入事例

教科書や学習参考書、書籍の印刷を中心に手掛ける株式会社 加藤文明社(代表取締役社長:加藤文男氏、本社:東京都千代田区、以下加藤文明社)は、同社新宿生産センター(東京都新宿区)内のatelier gray🄬(アトリエグレイ)にJet Press 720Sを導入した。atelier grayは同社が現在開拓を進める美術書の仕事の拠点で、クリエイターと共創するための環境を整えたスペースである。

加藤文明社様事例_画像①

atelier grayを開設した背景やそこでのJet Pressの活用法、今後の戦略について、加藤文明社 代表取締役社長 加藤文男氏、営業統括本部/ 営業部/ 企画営業課 係長 三河亮平氏、プリンティングコーディネーター 平井彰氏の三氏に話を伺った。

加藤文明社は、印刷はあらゆる文明の魁であるという考えから「文明社印刷所」として1914年(大正3年)に創業した。創業時は保険業界で使われる約款などの印刷物を手がけていたが、その後通信省や裁判所、大学などの印刷物を受注、戦後に教育機関や教科書・学習参考書を発行する出版社との取引が増加した。

現在、加藤文明社は美術書など美術に関わる領域への参入を進めている。同社は創業以来100年以上にわたり「正確で、美しい」印刷製品を作り上げることにこだわり続けてきており、美術書はその知見を活かしつつさらに磨くことができる仕事だからである。


クリエイターの期待に応えるためJet Pressを導入

Jet Press720Sは、この新事業の拠点となる「atelier gray🄬(アトリエグレイ)」に設置されている。atelier grayは、「クリエイターさんの印刷に対する妥協や諦めを解消したい」「短時間で思い通りの色・品質を実現したい」といった期待に応えた、彼らが創造力を存分に発揮して印刷物を製作できる環境にこだわったスペースとして2018年に開設された。

加藤文明社様事例_画像②加藤文明社はatelier gray開設にあたり、液体トナー機や枚葉UVインクジェット機などおよそ10機種をテストし、その中からJet Pressを選んだ。その理由について加藤社長は、「Jet Pressは出版社様やクリエイターの皆さまを満足させる、圧倒的なクオリティーを実現していたデジタル印刷機だったから」と説明する。「見当精度・用紙対応性・色域・色再現性・文字再現性など、様々な技術面でのブレイクスルーが集結しており、当社が目指すモノづくりに合致していました」。
「実際、ワークショップやatelier gray見学などを通してクリエイターの皆さまは、Jet Pressの品質に驚き、デジタル印刷機という新しい創作の手法に大きな可能性を見出してくださっております。」(加藤社長)。

加藤文明社様事例_画像③また、同社のJet Pressはatelier gray内に設置されているDTP環境および、同センターのオフセット枚葉機とカラーマネージメントされている。そのため、色校正はJet Press、本刷りはオフセット枚葉機という活用も容易である。「例えば、森美術館(東京都港区)で開催された『六本木クロッシング2019展:つないでみる』(会期:2019年2月9日〜5月29日)のカタログ本文部分は、色校正はJet Press、印刷はオフセット機で行いました」(三河係長)。

加藤文明社様事例_画像③Jet Pressは、クリエイターがデジタル印刷についての理解を深めることにも役立っている。「atelier grayでの共創を通じて、クリエイターの皆さんは期待通りの色再現性や見当精度などが実現される技術的背景にも大変興味をお持ちだと分かりました。実際、Jet Pressのカバーを開けて内部の機構をご説明すると真剣に聞かれます」(加藤社長)。「最後には、デジタル印刷機という新しい技術に安心して帰っていただけます。やはり、実機を目の前にして体験していただけるのは強いです」(平井氏)。


atelier grayで進めるクリエイターとの共創

atelier grayにおけるクリエイターとの共創は、コーディネーターである平井氏によるヒアリングから始まる。「当社には印刷だけではなく、本づくりをするために必要な知識とネットワークを持った様々なプロが在籍しています。ヒアリングの内容に応じて、お客様にとって最適なリソースでチームを組みます」(加藤社長)。「課題や漠然としたイメージを誰に相談したら良いか分からない時には、悩む前にatelier grayに来てください。私が解決策をご提案します」(平井氏)。

2018年11月1日に発売された書家紫舟氏の作品集「Creator: A Collection of Works by Sisyu」(カルチュア・エンタテインメント)もatelier grayでの共創を通じてつくられた。この作品集は100部限定の豪華本である。

「当社にお話をいただいた時には、豪華本を創作するということと納期だけが決まっていました。そこで、ヒアリング内容をもとに仕様も含めてご提案しました」。「デザイナーさまと出版社の方にatelier grayにご来場いただき、その場で色校正を行い了解を得ながら進行しました。この作品集では4〜5回atelier grayに集まり、スピード感を持って進めました」(三河係長)。

「この作品集では、色校正も印刷もJet Pressで行いました。実際、この印刷品質はJet Pressでしか実現できません」(平井氏)

加藤文明社株式会社様作品集

「クリエイターの方はatelier grayに積極的に足を運んでくださいます。JR飯田橋駅から歩ける便利さに加えて、製造のプロと相談しながらイメージを膨らませる環境があるからだと思います。」「atelier grayは、こうした『作り手が行きたくなる場所』を目指しています」。(加藤社長)


atelier grayそしてJet Pressで、モノづくりと人づくりを支える

加藤文明社は、atelier grayをモノづくりの場だけでなく、クリエイターのネットワークをつくる場や、デジタル印刷について理解を深めてもらう場としても活用したいと考えている。
「ある出版社の方から編集者向けの勉強会をここで開きたいというお話をいただきました。その際、ご家族もお招きして、どんな仕事をされているのかご家族にご理解いただく企画も考えています」。「デザイン系や美術系の大学や専門学校との共創も考えています。例えば、学生の卒業制作をプロとして支援することでより良い作品をつくっていただき、atelier grayのファンになっていただければと思っています」。(加藤社長)

「社内的には、Jet Pressを通じてデジタル印刷についての理解を深めてほしいと考えています。これは、デジタル印刷を活用した新しいビジネスモデルづくりという次のステップに進んでもらいたい。また、オフセット印刷機のオペレーターにも印刷の可能性と将来性を感じて欲しいと思っています」。(加藤社長)

加藤文明社は「この国の、モノづくりと人づくりを支え続けます」という企業理念を掲げている。「この国の」は、同社が長年教育に携わってきている企業だからである。「我々は、atelier grayそしてその核となるJet Pressを通じて、クリエイターの作品づくり、そしてこの国のモノづくり・人づくりを支えていきます」。(加藤社長)

※掲載内容は、取材当時のものであり、一部変更が生じている場合がございます。ご了承ください。


■お客様プロフィール
株式会社 加藤文明社
所在地:  東京都千代田区神田三崎町2丁目15番6号 K-STAGE
URL:   //www.bunmeisha.co.jp/

■関連リンク
B2サイズ枚葉型インクジェットデジタルプレス「Jet Press 750S」の詳細はこちら

記事をシェアする

お客様の事例一覧へ戻る