富士フイルムと印刷について

富士フイルムは、1934年に写真フィルム製造の国産化事業会社として創業しました。
1950年代に写真フィルムの製造を応用し、印刷製版用フィルムを開発。
1960年代には、オフセット印刷の普及に伴って印刷用版材「PS版」の開発に着手し、以降、今日まで長く「印刷システム事業」に携わり、グラフィックアーツ業界の変革・発展を支え続けてきました。

1980年代後半には、印刷資材の製造・販売だけでなく、印刷の品質管理・生産性向上を目的に印刷物を測定・解析する「印刷診断サービス」を開始。
30年以上にわたり、1,100事業所、延べ1万件を超える印刷物の測定を行い、印刷品質の向上・課題解決のソリューション提案に取り組んできました。

そうした取り組みや測定データの蓄積から、「安定したよい印刷物」であることを示す指標を導き出すことができました。

写真フィルム、製版フィルム。PS版を印刷している場面

独自の「印刷基本品質」

印刷機のコンディション、紙やインキなどの印刷資材、温度や湿度といった印刷環境──。これらのさまざまな要素が、仕上がりに影響を及ぼします。
これらの要素を管理し、一定の状態に維持することができていれば、「安定した印刷」を実現しているといえます。

ピラミッド型

上の図を「印刷品質管理のピラミッド」と呼んでいます。
印刷機・資材・環境の管理を土台にして「安定した印刷」を実現させ、その上で色の管理をすることで、「安定したよい印刷物」が実現できることを示しています。
これまでの「印刷診断」の蓄積から、私たちは、印刷機・資材・環境の管理状況と相関がある「印刷基本品質」という指標を導き出しました。

「『印刷基本品質』がよい」ということは、印刷機・資材・環境の管理が十分に行き届き、
「安定した印刷」を実現していると判断できます。
それはすなわち、印刷発注者さまにとって「安心して任せられる印刷会社」ということになります。

人物イラスト

■「印刷基本品質」の例

<網点品質>

よい網点

輪郭がきれいで、空洞がありません。

網点品質 よい網点

悪い網点

輪郭が崩れ、所々、空洞があります。

網点品質 悪い網点

<見当ズレ>

よい見当
十字の線が縦横1本になっています。

見当ズレ よい見当

悪い見当(見当ズレ)
十字の線が複数の色で2重・3重になってしまいます。

見当ズレ 悪い見当(見当ズレ)

<ダブリ/スラー>

画像が2重に印刷されてしまう現象。
発生していないことがよい印刷物。

見当ズレ よい見当

<トーンジャンプ>

グラデーションが段々になってしまい、滑らかになっていない現象。
発生していないことがよい印刷物。

見当ズレ 悪い見当(見当ズレ)

■お問い合わせ

富士フイルムグラフィックソリューションズ株式会社 技術一部
Tel:03-6419-0351