FFGSプレス発表会レポート
新世代の完全無処理CTPプレート
『SUPERIA ZD-Ⅲ』発売

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富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ株式会社(以下FFGS)は、機上現像性や耐刷性、耐キズ汚れ性、版面の視認性などを大幅に向上させ、現場での「使いやすさ」を追求した新世代の完全無処理CTPプレート『SUPERIA ZD-Ⅲ』の発売について、5月10日にプレス発表会を行った。

全体写真

プレス発表会の様子


■使いやすさを追求した『SUPERIA ZD-Ⅲ』を発売

辻社長FFGS 辻社長

まず、FFGS代表取締役社長 辻 重紀があいさつに立ち、富士フイルムと富士フイルムビジネスイノベーション(旧 富士ゼロックス)との印刷事業の統合組織「グラフィックコミュニケーション事業部」の設立に触れた。2021年を大きな変革の年と位置付けた上で、印刷業界全体のビジネス拡大に貢献すべく、今回発売となった『SUPERIA ZD-Ⅲ』について、次のように語った。

「無処理プレートの開発においては、一貫して“お客さまにとっての使いやすさ”を追求し、常に進化させ続けてきた。今回発売する『SUPERIA ZD-Ⅲ』は、『使いやすさ』を全面的に大きくレベルアップさせた新世代の完全無処理CTPプレートであり、先般の『virtual.drupa』で発表した『SUPERIA ZX』を、世界に先駆けて国内向けに発売するものだ。
現在有処理プレートをお使いのお客さまへ『ZD-Ⅲ』を積極的にご提案し、業界全体の無処理化を加速していきたい」
そして、「今後もさらに『使いやすさ』を追求し、現場の方々に感動していただける究極の無処理プレートを目指して開発に取り組む。そして、FFGSの強みの一つである技術サポートもこれまで同様、一社一社丁寧に対応させていただき、お客さまの課題解決に貢献していく」と続けた。


■“視認性”が大きく向上した『SUPERIA ZD-Ⅲ』で市場の要望に応える

藤嶋常務FFGS藤嶋常務

次に、FFGS常務執行役員の藤嶋 克則が登壇。『SUPERIA ZD-Ⅲ』の“視認性”向上により、印刷現場でメリットを感じていただけるようになったとして、印刷業界を取り巻く環境を踏まえ、『ZD-Ⅲ』の「使いやすさ」について次のように語った。

「『SUPERIA ZD-Ⅲ』は、これまでも多くのお客さまにご導入いただき、ご好評いただいている『SUPERIA ZD-Ⅱ』をさらに進化させたもの。特に露光後の“視認性”に関しては、今回、大幅に機能を向上させることができた。
完全無処理プレートの導入によるメリットとして、機材の設置や、薬品類などの保管に関する大幅な省スペース化が可能。また、メンテナンススキルなどを持つ専任スタッフが不要となり、省人化や柔軟な人材活用が実現できる。菅総理大臣が表明した『脱炭素社会』の実現(2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする)もあり、無処理プレートはクライアントにアピールできる強い武器となる。
多くのメリットがある完全無処理プレートを、お客さまにスムーズにご導入いただくために、富士フイルムとして、より良い商品の開発はもちろんのこと、最適な印刷条件でお使いいただけるよう、導入支援や導入後のフォローも重点的に行う。現在、刷版出荷量に占める無処理プレートの比率は20%だが、2023年度に50%以上になるよう、印刷業界の無処理化を加速させる。
富士フイルムは『ZD-Ⅲ』を通じて、生産現場や経営の改革にお客さまと一緒になって取り組んでいく」

プレート設計思想の画像

「使いやすさ」を追求した『SUPERIA ZD-Ⅲ』


■4つの新技術で有処理プレートと同様の品質を実現

後藤所長富士フイルム グラフィックシステム研究所
後藤所長

続いて、富士フイルム グラフィックシステム研究所 所長の後藤 孝浩から、『SUPERIA ZD-Ⅲ』の開発コンセプトと今回投入された4つの新技術、開発の経緯について次のように説明があった。

「これまで、無処理CTPシステムは有処理CTPシステムに比べ、コスト削減や環境対策を実現できる一方で、性能面で劣る部分があった。
今回は、『有処理を凌駕する性能の無処理プレートを提供することでお客さまの課題を解決し、お客さまに喜んでいただく』というビジョンを掲げ、開発を進めた。
その中で、経営者、刷版現場、印刷現場、すべてにおいて真の使いやすさとは何かを考え、本質的課題を大きく4つに分類。これらを克服すべく4つの新技術を投入した」

4つの課題を解決する、4つの新技術

課題 新技術
刷り出しの速さ・現像安定性 Print Control Layer Technology 従来の保護機能に新たな機能を付与。
湿し水とインキによる現像速度を制御し、圧倒的な刷り出しの速さと安定性を実現。
露光画像の視認性 High Color Generation Technology 新たな発色技術を導入することで、高い視認性が得られる。
耐キズ汚れ性 Processless Gumming Technology 露光後のプレートにおけるキズの発生を抑え、また、プレートにキズがあったとしても、印刷の際にインキの着肉を抑制できる。
耐刷性 Extreme Adhesive Bonding Technology 『ZD-Ⅱ』で実績のあるMGZ砂目をベースに新技術を導入し、有処理プレート同等の耐刷性を実現。

そして、「これらの技術を投入した『ZD-Ⅲ』は、市場テストでの実績でも、『有処理プレートと同様の運用が可能』『ZD-Ⅱより機能向上が見られる』などの結果を得られている」と語った。


■株式会社スマートグラフィックス様『SUPERIA ZD-Ⅲ』導入インタビュー

最後に『SUPERIA ZD-Ⅲ』の導入事例として、株式会社スマートグラフィックス様(埼玉県戸田市早瀬) 取締役企画室 室長 福田 佳祐氏のインタビュー動画が公開された。

▲画像をクリックすると、インタビュー動画の記事へリンクします

【会社概要】
株式会社スマートグラフィックス
株式会社ウエマツのグループ会社。2019年10月に、工場移転に伴い社名変更。
ウエマツグループとして培ってきた生産能力と技術に、時代に即した新しい機械、原材料、IT技術などを取り込み、スマートな製造体制を築いていくことをコンセプトとしている。


■関連リンク
完全無処理CTPプレート「SUPERIA ZD-Ⅲ」の詳細はこちら

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