株式会社ライブアートブックス
無処理化により網点変動がなくなり印刷品質が安定
刷版工程削減で人員配置の自由度も高まった

記事をシェアする

株式会社ライブアートブックス事例紹介MV

SUPERIA ZD-Ⅱ/ZD-Ⅲ導入事例


大阪を拠点に高級美術印刷を手がける株式会社ライブアートブックス(本社:大阪市中央区難波5-1-60、代表取締役社長:吉野文彦氏)は、品質安定化、環境対応、コスト削減などを目的として、昨年秋から富士フイルムの完全無処理CTPプレート『SUPERIA ZD-II』を導入している。品質にシビアなクライアントを多く持つ同社は、SUPERIA ZD-IIをどのように評価し、また、現場ではどんなメリットが得られているのか。吉野文彦社長と、印刷品質責任者を務める設計監理部部長・丸塚真二氏に伺った。


■有処理同等の印刷品質、機上現像の安心感などが決め手に

ライブアートブックスは、1952年3月に「株式会社大伸社」として創業し、70年近い歴史を持つ印刷会社。長年、商業印刷を軸とする総合印刷会社として成長を続けてきたが、2014年、美術印刷に特化した事業会社として分社化。現在、大伸社グループの一員として、写真集、美術書、展覧会図録などを手がけている。優れた製版・印刷技術と仕上がり品質の高さが評価され、国内外のさまざまな賞を受賞しており、多くのクリエイター、美術館・博物館などから厚い信頼を得ている。

そんな同社では、強みである印刷品質を高めながら、いかにムダをなくし、環境対応やコスト削減を同時に進めていくかが重要な課題となっていた。その解決策の一つとして、無処理プレートに着目した。
「環境対応に関しては、とくに現像廃液を何とか削減したいという思いがありました。それは当然、コスト削減にもつながってきます。また、CTPの現場がかなり狭いため、自現機を無くしてスペースを確保し、作業性を改善したいというのも、無処理化を考えた理由の一つです」(吉野社長)

導入にあたっては、従来の有処理プレートと同等の印刷品質が得られるのか、また、機上現像による印刷機への影響はないか、といった点を中心に、他メーカーの無処理プレートも含めて検証したという。
「品質については、有処理プレートと無処理プレートで、同じ絵柄を印刷したときの色差、濃度感などを、濃度計による計測と目視で評価しました。また、無処理プレートで機上現像をスムーズに完了させるためには、印刷機のコンディションをこれまでよりシビアに管理する必要がありますが、現像カスなどによる印刷機への影響は出ないのか、それによってメンテナンスの負荷が増えないだろうかというのも懸念点の一つでした。こうした観点からテストを重ね、他の印刷会社さんの情報なども参考にしながら検討した結果、当社にはSUPERIA ZD-IIが最もマッチしていると判断したのです」(丸塚部長)

印刷品質やプレートの扱いやすさなども満足できる水準にあり、かつ、環境面・コスト面でのメリットも期待できるとして導入を決定。有処理プレートからの移行はスムーズに進み、現場もとくに戸惑いを感じることはなかったという。
良い意味で、プレートを切り替えたという感覚はあまりないですね。FFGSさんの丁寧なサポートのおかげもあって、本当にストレスなく移行できました」(吉野社長)

他社の無処理プレートと比較検討の結果、SUPERIA ZD-IIが最もマッチすると判断


品質の安定化が図れ、環境対応の訴求力も高まった

導入から約8カ月経過した現時点で実感している効果として、丸塚部長は「品質の安定化」を挙げる。
「色のブレが少なくなったというのは明確に感じています。とくに本機校正が必要な仕事ではありがたいですね。有処理では高精細になればなるほどドットゲインなどの影響が出やすく、同じ絵柄を同じ色で安定して再現することが難しくなりますが、無処理では、現像液などの変動要素がありませんから、網点の再現率は変わりません。印刷機側でブランケットのドットゲインをしっかり管理すれば、色のブレを抑え込むことができます。ですから、印刷オペレーターにとっては、無処理化によってかなり刷りやすくなっていますし、実際に刷り上がりを確認しても、以前より色が安定したと感じます」
 クライアントからの高い品質要求に応え続ける同社にとって、これは重要なメリットである。さらに、丸塚部長は「版面にキズがつきにくくなったことも、品質や作業性の向上に貢献している」と語る。

現像処理工程がなくなったことは、この他にもさまざまな効果をもたらしている。
液交換や清掃といった現像機のメンテナンスが不要になり、産業廃棄物として排出していた現像廃液もゼロになりましたから、コストメリットも大きいですし、現場の作業負荷も大幅に軽減できました。その分、オペレーターが別の作業に時間を使えるようになり、生産効率も上がっています。そうした目に見えない効果が、いろいろな面で出ていると思います」(丸塚部長)

無処理化によって、CTPに関しては現在、ほぼ無人での運用が実現している。また、環境面のメリットについて、吉野社長はこう語る。
「当社は、国立美術館や国立博物館など、国の施設の仕事も多くやらせていただいていますし、官公庁以外でも環境を重視されるお客さまはたくさんいらっしゃいます。取引にあたって、具体的な環境対策について開示を求められるケースも少なくありません。そんな背景もあって、当社は以前から、FSC認証の取得、ベジタブルインキの採用など、環境への取り組みを積極的に進めてきました。今回、無処理プレートの導入によって、以前からの課題であった廃液削減を達成できたのは、環境対策のさらなる強化という点でも大きなメリットだと思います」

無処理化によって網点品質が安定し、印刷現場では刷りやすさを実感しているという

■刷版工程の作業負荷軽減を活かし、多能工化を推進

さまざまな面で無処理化の効果を挙げている同社だが、これらを活かした今後の取り組みとして、吉野社長は「多能工化」を挙げる。
負担の大きかった自現機周りの作業がなくなったことで、人員配置の自由度が高まりました。今後、一人がさまざまな作業を担当できるよう多能工化を進めることで、仕事の状況に応じて柔軟に人材を活かせる体制を整えていこうと考えています」
 無処理化による工数削減によって、人の活かし方も変わり、他の工程の生産性向上にもつながっていく。同社は、今回のSUPERIA ZD-IIの導入を、一工程の現場改善にとどめず、会社の強みの一つとして活かしていく考えだ。

「業界全体で見ると、まだ有処理の割合が多いと聞きます。今後、環境問題や働き方改革などを背景にして無処理への切り替えが進んでいくことは間違いないと思いますので、一歩先に無処理化を図り、しかも品質の高いものを提供できる体制を構築できたことは、大きな強みになるのではないかと期待しています」(丸塚部長)

同社が品質だけでなく効率性や経済性、環境対応なども同時に追求する背景には、「人々に感動をもたらす、価値ある印刷物を提供し続ける」という姿勢がある。吉野社長は、社名にも表現されているこの思いについて、こう語った。
「私たちが目指しているのは、現実にあるもの、見たままのものを“ライブ感をもって”印刷物に落とし込んでいくということです。印刷物というのは、手で持ったときの触感、インキの匂いなど、人の五感に訴える力を持っています。その印刷物の力を信じて、“見て感動していただける”、そして“何百年後まで残る”ものを創り出していきたい。そんな思いでいろいろな挑戦を続けています。もちろん、いまの時代、印刷物だけでお客さまのすべての要望に応えることは難しいですから、グループ会社と連携してデジタルメディアを組み合わせたご提案も行なっていますが、ライブアートブックスとしては、やはりリアルな印刷物の価値というものを、これからも大事にしていきたいですね」


■お客様プロフィール
株式会社ライブアートブックス
住所: 大阪市中央区難波5-1-60 なんばスカイオ17F
URL: https://www.live-art-books.jp/

■関連リンク
完全無処理サーマルCTPプレート「SUPERIA ZD-Ⅱ / ZD-Ⅲ」の詳細はこちらから

記事をシェアする

お客様の事例一覧へ戻る