池田印刷株式会社様
無処理化による現場改善で
品質面の強みをさらに伸ばす
現場のスキルレス化、置き版の管理にも
大きなメリット

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池田印刷事例紹介_MV

SUPERIA ZP/GA Smile Navi導入事例

左から
代表取締役社長 池田幸寛氏
取締役製造部部長/京浜島工場長 岩佐育美氏
製造部京浜島工場/印刷課 グリーンプリンティング担当 島田勝二氏
製造部印刷課 POD・検版 安本龍己氏


株式会社池田印刷_社外風景池田印刷株式会社(本社:東京都品川区西五反田6-5-34、代表取締役社長:池田幸寛氏)は、2018年11月、富士フイルムの完全無処理プレート『SUPERIA ZP』を導入し、CTPの完全無処理化を図った。同社は、CSR活動を長年にわたって継続し、2018年9月には「平成30年度 第17回印刷産業環境優良工場表彰」で最高位の「経済産業大臣表彰」を受賞するなど、環境対応の取り組みで業界をリードするとともに、つねに高い印刷品質を追求し、クライアントから厚い信頼を得ている。そんな池田印刷の生産拠点である京浜島工場で、『SUPERIA ZP』導入の経緯や評価、さらに、導入に至る過程で実施した『GA Smile Navi』による印刷診断などについて、話を伺った。


■スマートファクトリー化も視野に無処理化を決断

池田印刷は1953年11月、東京・品川区で創業。企画・デザインから印刷・発送までを一貫して行なう総合印刷会社だ。とくに多色刷美術印刷を得意とし、アパレルメーカーなどの高級カタログやパンフレット、冊子類、カレンダーなどを幅広く手がけている。創業当初から品質重視の姿勢を貫くことで多くのクライアントから信頼を得ている。さらに、早くから環境対応について積極的に取り組み、最近ではSDGsを意識した、より広範な活動を展開している。そんな同社がCTPの無処理化を検討し始めたのは2017年。印刷機を更新したことがきっかけだったという。
「これまで全社を挙げて取り組んできた環境対策をさらに進めるうえで、現像廃液の削減は重要な課題でした。廃液の削減、資材の削減は、環境面だけでなくコスト面でも大きなメリットになります。また、これから10年先まで考えると、スマートファクトリー化も検討していくことになると思いますが、まずは生産効率を高めるために、自現機のメンテナンスなど人手のかかる作業を可能な限りなくしていきたい。こうした考えから、菊全4色機の新台を導入したのを機に、無処理化の検討を始めたのです」(池田社長)
完全無処理プレートの導入にあたっては、保有する3台の印刷機について、FFGSの印刷品質管理ソリューション『GA Smile Navi』により、印刷品質の診断を実施、印刷条件の最適化を図ることにした。
「まずは印刷機の状態をあらためて見直し、問題点がないかどうか分析していただきました。また、すでに完全無処理化を達成している工場に見学に行き、担当者にお話を伺ったりデータを見せていただいたりして、万全の態勢で無処理化を進めていきました」(池田社長)

■1年かけて品質性能を検証

品質要求レベルの高い印刷物を多く手がける池田印刷にとって、無処理化にあたっての一つの懸念点は、「印刷品質に影響がないかどうか」だった。これまで通りクライアントに対して高い品質を保証できなければ、プレートの切り替えには踏み切れない。そこで同社は、従来の有処理プレートを残しながら、『SUPERIA ZP』のテストを約1年かけて実施。品質面でも何ら問題なく運用できることを確認した。
「色数や印刷部数、あるいは印刷機の設定や湿し水の使用条件などを変えながらテストを重ねた結果、有処理プレートと同等以上の品質が得られたため、『SUPERIA ZP』の本格導入を決定しました」(岩佐工場長)
切り替えに際しては、印刷診断の結果を踏まえ、FFGSの技術担当者が講師を務めて現場スタッフを対象に無処理プレートの勉強会も行なった。
「安定した品質の提供や環境対応、コスト削減が重要な課題であるのは間違いありませんが、まず前提となるのは、現場で実際に作業にあたる社員たちがきちんと納得・理解したうえで安心して無処理プレートを使えることだと考えました。その点で、『GA Smile Navi』により印刷条件の最適化ができたことは、無処理プレートへの移行に120%の効果があったと確信しています」(岩佐工場長)
また、FFGSでは、診断結果に基づいて湿し水の管理・運用についてのアドバイスも行なったほか、Japan Color 2011に準処した基準濃度と刷版カーブを新たに設定。『SUPERIA ZP』に最適な印刷条件を整えたうえで運用を開始した。

GA Smile Naviの実施内容
GA Smile Naviの実施内容
自現機に関わる作業や管理の負荷が大幅に軽減された
自現機に関わる作業や管理の負荷が大幅に軽減された

■作業面だけでなく品質面でもメリットを実感

CTPの無処理化を実現したことで、その効果を最も実感しているのはやはり現場の担当者ではないだろうか。製造部でCTPやPODの出力に携わっている安本氏は次のように話す。
「自現機に関わる管理・作業から解放されたことは大きいですね。有処理のシステムでは、電源を48時間以上落としてしまうと現像液が使えなくなってしまうので、長期休暇の間は、自現機の電源を入れるためにわざわざ出社しなければいけませんでした。そのうえ、日常のメンテナンスにもかなりの時間と手間がかかっていましたから、その作業が一切なくなったことは、現場担当者としては大変ありがたいですね。その分、他の作業に集中して取り組むことができます
安本氏はCTPの管理とPOD出力などの業務を兼務しているだけに、無処理化のメリットをとくに強く実感しているという。
もちろん、メリットは現場の負荷軽減だけにとどまらない。現像廃液がなくなったことで、廃液の処理を行なうために必須だった「特管」(特別管理産業廃棄物管理責任者)の資格者を置く必要もなくなった。池田社長は「工場内のスキルレス化が図れ、適材適所の人員配置が可能になり、ひいては働き方改革にもつながっている」と強調する。
品質面では、『SUPERIA ZP』導入によってどのような効果が生まれたのだろうか。印刷部門で品質管理を担当している島田氏は次のように話す。
「水量を最適化できたことで、それまで過乳化が原因で起こっていた色のツブレや汚れがまったくなくなりました。『GA Smile Navi』の印刷診断で、湿し水の管理・調整についてFFGSのプリンティングアドバイザーから的確なアドバイスをいただけたのがよかったですね。また、当社では色校正をほとんど本機で刷っているため、本刷りまでの間“置き版”することになります。加えて、増刷に備えての置き版もあります。プレートにはそれぞれ校正紙を付けて適正に保管していますが、『SUPERIA ZP』はキズがつきにくいため、こうした置き版の運用でも安心感がありますね」
『GA Smile Navi』との相乗効果で従来よりも水が絞れ、品質の安定化が実現。さらに、プレートの取り扱い・保管においては、優れた耐キズ性によって作業負荷・管理負荷の軽減が図れているのだ。
印刷物を「工業製品」ではなく「工芸品」と捉えた品質の追求。そして、環境や人に配慮した現場づくり。『SUPERIA ZP』の導入は、どちらの取り組みにも確かな効果をもたらしている。

キズのつきにくさは置き版の管理にもメリットをもたらしている
キズのつきにくさは置き版の管理にもメリットをもたらしている

■お客様プロフィール
池田印刷株式会社
住所: 東京都大田区京浜島2-4-18(京浜島工場)
URL: http://www.ikeda-print.co.jp

■関連リンク
SUPERIA ZPの詳細はこちら
GA Smile Navi の詳細はこちら

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