Color Ink様
紙器パッケージを始めとする新市場の開拓に大きな手応え
驚異的な“色の一貫性”によりパントーンの特色の色合わせも簡単・確実に

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B2サイズ枚葉型インクジェットデジタルプレス「Jet Press 720S」導入事例

 アメリカ・ウィスコンシン州サセックスに拠点を置く印刷会社Color Ink 社(以下カラーインク社)は、富士フイルムのB2サイズ枚葉型インクジェットデジタルプレス『Jet Press 720S』(北米での商品名『J Press 720S』)により、従来までの印刷工程を大きく変革し、新市場の開拓を進めている。カラーインク社の社長を務めるトッド・マイズナー氏、および、社長のご子息であり同社の販売・調達担当マネージャーであるオースティン・マイズナー氏、オペレーターのマーク・リンスキー氏に、Jet Press導入の経緯や、具体的な活用効果などについて聞いた。

(左から)カラーインク社 トッド・マイズナー社長、オースティン・マイズナーマネージャー

■画質や生産性、経済性、すべてにおいて群を抜いていたJet Press

 カラーインク社は、1984年、商業印刷を主体とする小さな印刷会社として、トッド・マイズナー氏の父親であるジム・マイズナー氏により創設された。やがてトッド氏と息子のオースティン・マイズナー氏が次々と加わり、同社は、3世代の固い絆で結ばれた揺るぎないファミリー企業へと成長していく。かつて家族の農場があったミルウォーキーの郊外に約30,000㎡の大きな2つの事業所を有し、75人の正社員と最大50人の臨時社員が週に5日、最大3交代制で勤務している現在のカラーインク社。世代を超えて脈々と受け継がれてきた“熱い思い”が、企業発展の原動力になった。その“重み”を、若きオースティン・マイズナー氏はこう語る。
「祖父が立ち上げた印刷会社の3世代目であることは、私にとって非常に大きな意味があります。祖父と父に学び、共に働けることは、何ものにも代えがたい貴重な経験です」

 優れたファミリー企業の強みは、一心同体でありながら硬直化せず、各世代の発想を柔軟に統合できる、という点にある。たとえば伝統と革新、緻密さと大胆さ。今回の思い切ったデジタルプレス導入も、まさに、カラーインク社の「常識にとらわれない、しなやかな発想」からスタートした。小ロット・多品種化が一段と加速する現在、クライアントからの厳しい要求に的確に応えていくには「インクジェット印刷機が不可欠だ」と考え、同社はいくつかの機種をピックアップし、さまざまな角度から徹底的に性能を比較。その結果、Jet Press 720Sを有力候補機の一つに挙げ、富士フイルムのシカゴテクノロジーセンターを何度も訪れて数多くのテストを行ない、品質やスピードを自らの目で確かめた。トッド・マイズナー社長が、そのときの印象を振り返る。
最終決定を下す前に他の製品も幅広く検討しましたが、再現性、生産性、経済性においてJet Press 720Sは群を抜いていました。とくに画質には目を見はるものがあり、明らかにオフセット印刷機を上回っていた。これは画期的な印刷機だと思いました

 富士フイルムの次世代枚葉型インクジェットデジタルプレス『Jet Press 720S』は、750mm x 532mm サイズの用紙を1 時間に2,700 枚印刷できる。オフセット印刷を凌駕する高画質・高安定性を実現すると同時に、極小ロットに対応する柔軟性も備えているため、カラーインク社のような印刷会社にとって理想的なソリューションと言えるだろう。

Jet Press 720S

■厳しさを増す小ロット・多品種ニーズに、圧倒的な色再現性・安定性で即応

 実際、Jet Press 720Sはカラーインク社にとって変革的な印刷機だったのだろうか。
「Jet Press 720Sは、当社のビジネスを大きく変えました。現在は、ワイドフォーマット印刷機からのジョブに加え、四六版オフセット印刷機のジョブを立ち上げているところです。Jet Press 720Sは非常に経済性に優れているので、他の印刷機から移行するジョブをどんどん増やしています。インクジェット技術も卓越しており、さまざまなジョブを圧倒的な品質でスピーディーに安定的に出力してくれます」(トッド・マイズナー社長)

 一歩先を見据え、オースティン・マイズナー氏が付け加えた。
私たちがJet Press 720Sを活用して新たに事業拡大を目指しているのは、紙器パッケージ市場です。この市場、とくに一般消費者向けの市場では“ブランド認知”が重視され、ブランドカラーを忠実に再現することが極めて重要になってきます。当社では、毎回パントーンの特色の色合わせに苦労していたのですが、Jet Press 720Sの導入により、マッチングの精度が大幅に向上しました。これまで全体の15%程度だった消費者向けパッケージの仕事を、Jet Pressという新たな戦力によってさらに拡げていけるだろうと、確かな手応えを感じています。これほどの色の一貫性があれば、紙器パッケージ分野に限らず、いままで見過ごしていた新市場への参入も、可能性として高まっていくのではないかと思います」

 Jet Press 720Sのオペレーターを務めるマーク・リンスキー氏も、色再現の安定感、仕上がりの安心感について絶賛する。
Jet Press 720Sの色の一貫性は驚異的です。最初の1枚から最後の1枚まで色がブレず、刷り上がりの品質についてまったく心配する必要がありません。また、メンテナンスからインターフェースに至るまで非常に扱いやすく、紙をセットしたらあとは印刷するだけ。Jet Press 720Sは、一日中、何のトラブルもなく高品位な印刷物を次々と出力し続けてくれます

 クライアントから小ロット・多品種の要望がますます強まっている現在。トッド・マイズナー社長は、カラーインク社のオンデマンド戦略の中でJet Press 720Sをどう位置付けているのか。
「多くの小売業者にとって、全米での取引店舗は数百から1,000 店舗程度でしょう。当社が各店舗向けにグラフィックを制作する場合も、ほとんど200 ~1,000 単位の小ロットですから、まさにJet Press 720Sが本領を発揮するわけです。また、そうした小ロットの仕事では、あるジョブから別のジョブへと次々に移行していくことが多く、同じサイズの同じ用紙を使用しながら、10部、20部、ときには500 部と、その場で臨機応変に印刷していきます。そんな小ロット・多品種印刷には、プレートの交換が必要なオフセット印刷機では、納期的にもコスト的にも対応し切れず、Jet Press 720Sが不可欠です。お客さまが無駄な在庫を持たずに済み、1万部や2万部の注文と比べてもそれほど変わらない単価で最高画質のオンデマンド印刷を提供できるJet Pressは、当社にとって、理想的な印刷機だと思います

 取材の最後に、トッド・マイズナー社長は、こう締め括った。
「富士フイルムは、つねに当社のビジネスにマッチした最善のソリューションをタイムリーに提案してくれます。今回、我々が事業の変革に成功したのは、Jet Pressというシステムの力だけでなく、営業や技術者、人・モノすべてを含めたトータルなサポートのおかげです」


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