経営セミナー講師に聞く
「我が社の成長戦略ストーリー」 Vol.1

「必勝M&A戦略による服部プロセス成長の方程式」
服部プロセス株式会社 代表取締役 服部晴明氏
第3回:M&Aでの企業再生の重要なカギは、生産性を高めるための『インフラ』の構築

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グループ経営に不可欠な『見える化・効率化・自動化のインフラ』としての XMF Remote

中林 インターネットを活用して、東京にあるDOORSが御社の宮崎事業所に制作業務を外注しているというお話がありましたが、そこでXMF Remoteが活用されているのですね。

服部社長 はい、これはXMF Remoteがなかったらできない仕事です。本当に便利。XMF Remoteは、グループ経営には絶対に必要です。無かったら拠点は1箇所になってしまいます。XMF Remoteのお陰で、離れていても何の苦もありません。

ログイン画面キャプチャ

中林 東洋株式会社様(北海道帯広市)の記事でもご紹介したのですが、東洋様は4つの拠点をお持ちです。帯広、札幌、旭川、釧路にそれぞれ制作がいるのですが、XMF Remoteで運用してあたかも一つの事業所のように制作の作業を振り分けていて、場所が離れている事が何の制約にもなっていません。

服部社長 当社も同じです。羽田課長の席の後ろにテレビ会議システムがあるのですが、グループ内の事業所6ヶ所が常時繋がっていて、いつでもリアルタイムで会話ができるようになっています。これとXMF Remoteがあれば、隣の部屋で仕事をしてるみたいな感覚ですよ。
 逆に、もしXMF Remoteがなかったら、同じ場所で制作業務をしていても、制作物全体の進捗状況をタイムリーに把握したり、複数スタッフで業務を振り分けて制作業務を同時に進行したりすることは非常に難しいと思います。

Web会議

羽田課長 XMF Remoteは、本当に当社にピッタリのシステムだと思います。最近では、当社の使い方をご覧になった顧客の旅行代理店も、自社で導入したいとおっしゃっていました。

中林 いいですね。そういえば、御社では元々他社のリモート校正システムを導入されていましたが、XMF Remoteに置き換えましたよね。その時同時に、RIPもXMFに置き換えていただきました。

服部社長 XMF Remoteを導入したのは2012年だったかと思います。そこから1年くらいかけて基本的な立ち上げを行なって、その後半年くらいで全ジョブ運用を開始しました。

羽田課長 「XMFは本当に良い」と思うのは、XMF Remoteの画面から、RIPをかけたデータの出力が出来たり、複数の操作がワンアクションで出来たり、様々なことが自動処理で出来る点です。
 例えば、以前はインクジェット出力や丁合したプリントを出力するには製版の担当者に頼まないといけないと言うような状況でした。それが今ではXMFの「リモートプリント機能」を使うことで、誰でも出力できるようになりました。事前に設定しておけば、刷版も制作スタッフがプリンター設定を選ぶだけで面付けして出てきます。

Remote_リモートプリント

中林 営業の方から制作スタッフの方まで、「リモートプリント機能」を本当にフルに活用していただけていますよね。全国200社ほどのXMF Remote導入先の中で「リモートプリント機能」を一番上手に活用していただいているのは服部プロセスさんだと思います。

羽田課長 現在、当社のXMF Remoteの「リモートプリント機能」には100以上の設定を登録しています。もしかしたら、グループ全体で200くらいあるかも知れません。拠点ごとの設定もありますので。

中林 実は「リモートプリント機能」は、元々「印刷ジョブ発行機能」という名称で、メインの機能ではなかったのです。富士フイルムとしては、この機能は「こんなこともできます」という、裏メニュー的な位置付けでした。その良さを見出していただき、この機能の活用領域の広さを認識させてくださったのは服部社長でした。開発メンバーを神戸に呼んで服部さんの運用状況を確認させて、その後、様々なご意見、ご要望を取り入れて更にブラッシュアップしてネーミングを変更したものなんです。

服部社長 この機能があるから、現場がXMF Remoteに制作データを全部登録する「全ジョブ運用」をやり始めました。出力だけでなくデジタル検版などもできて、自分達が楽になりますから。

羽田課長 例えば、宮崎のスタッフが遠隔で神戸本社のプリンターから出力する際には、XMF Remoteにデータを入れた後に、テレビ会議の画面で「どのプリンターに何枚流したよ」と連絡があります。そうしたら、こちらで、すぐにプリントされた校正紙を確認して、赤字を入れてから校正紙を書類用のスキャナーで読み取って宮崎に送ります。それが宮崎ですぐ出力される。なお、このスキャナーで読み取ったファイルを宮崎に送る操作も、宮崎で出力する操作も自動設定されています。このシステムは、すぐ近くにいるように作業できて本当に便利です。リモートプリント機能のお陰で新人が出力担当者のノウハウを初日から活用することもできますし、非常に便利なので、東京とも繋げるようにしました。

服部社長 私達は、楽をするのが大好きですからね。だから、「面倒くさいな」「何かできないかな」ということをいつも探しています。これを長い期間積み重ねて来たら、たくさんのことができるようになっていました。
 M&Aされる側から見た時「スキルやノウハウも含めた、こういう『インフラ』が全部付いてきて、しかも無料で使える」ことはとても魅力的なんだと思います。M&Aされる会社は、こうした『インフラ』を活用することで利益率を高めることができていますから。また、当社がこういう『インフラ』を持っていることは、M&Aされる側の経営者の安心材料にもなっていると思います。実際、「こういう強い会社だったら、悔しいけど、自分には出来なかったことが出来るのではないか。残った社員もまだ伸びるのではないか」、と思っていただけた、というお声も聞きます。経営者にとって、一番気になるのは社員の雇用ですから。

中林 他にもM&Aされる側の経営者からすると、取引先の顧客維持なども気にされると思います。服部社長にお任せすると、これらをしっかりやっていただける。服部社長は常に企業再生、より良い会社にしたいという観点をお持ちですから。それが服部社長に「お願いしよう」となる大きな決め手になっているのだと思います。

服部社長 社員の幸せは、利益からしか出てきませんからね。利益のない会社では、社員を幸せにできない。利益を出すことが社員の幸せにつながると、私は考えています。

中林 大変参考になります。印刷業経営、グループ経営における『インフラ』の重要さがよく理解できました。ありがとうございました。第3回はここまでにして、次回(第4回)は自社開発したMISを軸にして構築された「見える化の『インフラ』」、「業務効率化の『インフラ』」について詳しくお伺いします。次回もよろしくお願いいたします。


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