共同精版印刷株式会社様
プレートの安定性により、品質トラブルが激減、生産性が大幅アップ
無駄な工数の減少、廃液の削減などでコストメリットも

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SUPERIA サーマルCPTプレート「XP-F」導入事例

 奈良県に本社を置く老舗印刷会社、共同精版印刷株式会社(本社:奈良市三条大路2-2-6、社長:近東宏佳氏)は、富士フイルムのサーマルプレート『XP-F』をはじめとする『SUPERIA サーマルCTPシステム』の導入によって、印刷品質の安定化と大幅な生産性向上を実現している。他社製CTPシステムから『SUPERIA』に切り替えた経緯や、現時点での導入効果などについて、近東宏佳社長と、生産本部長兼プリプレス部部長・岩藤民也氏、同本部プレス部印刷課課長代理・正男氏に伺った。


■プレート起因のトラブルが激減し、現像工程の生産性が2倍にアップ

 明治初期の和紙商にルーツを持ち、奈良の印刷所5社が統合した1942年の設立から数えても74年という歴史を誇る共同精版印刷。プリプレスから印刷・加工・発送までの一貫体制を活かし、一般商業印刷をはじめ、書籍印刷、パッケージ印刷、美術印刷、特殊印刷などを総合的に手がけており、品質要求の厳しい仕事も多い。
 そんな同社にとって、CTPプレートの品質性能は事業の生命線とも言うべき重要な要素。しかしながら、『SUPERIA』導入以前は、プレートに起因する品質トラブルがたびたび発生していたという。
お客さまに対し印刷品質をしっかりと保証するためには、まず、プレートの品質が安定していなければなりませんが、これまではその安定性が充分でなかったのです。一度トラブルが起きると、印刷機の停止、場合によっては刷り直して再度検品というロスが発生するため、生産性の低下にもつながっていました」(近東社長)

 この課題を根本的に解消しなければ、自社の品質に対する信頼が揺らぎかねない。そう危機感を強めた近東社長は、CTPシステムの切り替えを決断する。要となるプレートには、再現性・安定性に定評のある『XP-F』を選択。併せて、自動現像機『XP-1310R』、現像廃液削減装置『XR-1200J』および再生水再利用装置『XR-R60』を導入し、環境性にも配慮した。システム切り替えの効果は明確に表われており、岩藤本部長は「品質に関わるトラブルが激減し、生産性が目に見えて向上した」と語る。
「以前は、膜面のトラブルが起きるたびに印刷機を停めているような状態で、大きなロスが生じていたのですが、『SUPERIA サーマルCTPシステム』を導入してからは、それがみごとに解消しました。汚れの原因になっていたガム現像のカスも出なくなっています。自現機については、現像の安定性も高いですし、液交換が6カ月ごとで済むのもありがたいですね。これらの相乗効果で、生産性は、現像処理工程だけを見ても約2倍に上がっています

 また、印刷機のオペレーションを担当する北浦課長は、「プレートに起因する刷り出し汚れがほとんどなくなった」と、『XP-F』によるメリットを強調する。
「以前は、印刷機の回転数や温度のちょっとした変化、用紙変更などのたびに、湿し水をシビアにコントロールしないと、すぐに汚れが出るような状況でした。また、汗や唾液などが少しプレートに付着するだけでも、汚れに直結してしまう。そんなデリケートさが、オペレーターの負荷につながっていたのです。しかし『XP-F』では、過度に神経を使わなくても問題なく印刷できるので、作業中の安心感が違いますね

 一方、近東社長は、経営面でのメリットとして、「無駄やロスの削減によるコストダウン」を挙げる。
「印刷そのもので得られる利益が減少している昨今、本来ないはずのトラブルによる損失は、極力なくしていかなければなりません。その点、『SUPERIA』のCTPシステムは、無駄な工数やコストの削減に大きく貢献してくれています。今後、廃液削減装置によるコストメリットも、数字で明確に出てくると期待しています


■『Eco & Fast Printing』との相乗効果で生産基盤を強化

 共同精版印刷では、CTPシステムによるさまざまなメリットに加え、刷版・印刷工程全体にわたるFFGSのサポートについても高く評価している。
「昨年6月から、『Eco & Fast Printing』の実践として、印刷機のメンテナンスや湿し水の管理などを、FFGSさんのサポートのもとに全面的に見直しています。設備や資材の状態を分析したうえで最適な方法を提案してくださるので、非常に心強いですね。これからさらに印刷品質を向上・安定化させていけると考えています」(北浦課長)
 近東社長も、「対応の速さ、的確さなどから、やはりFFGSさんは信頼できるメーカーだという声を現場サイドから多く聞いている」と、社内での高評価を強調した。
 『Eco & Fast Printing』による工程改善活動と、CTPシステムの更新によって、品質安定化、生産性向上、コスト削減を図り、生産基盤の強化を着々と進める共同精版印刷。経営方針に掲げる、「生き残るのではなく、勝ち残る強い企業体質をつくる」ための取り組みが、確実に前進している。

 最後に、今後の事業戦略について伺うと、近東社長は、「魅力ある印刷事業を、海外でも広く展開していきたい」と意気込みを語ってくれた。
「私どもは長年、オフセット印刷に軸足を置き、紙に付加価値をつけるという形で、お客さまにさまざまな商品を提供してきました。今後は、印刷物の周辺にある販促ツールなども含めた、より幅広い提案に取り組むとともに、国内だけでなくASEAN地域にも営業範囲を拡げていきたいと考えています。グローバルに事業を展開するFFGSさんには、ぜひ、強力なパートナーとして、海外マーケットの情報提供など、いっそうのご支援をお願いしたいと思います」(近東社長)


■お客様プロフィール
共同精版印刷株式会社
設立: 1942年
本社: 奈良市三条大路2-2-6
https://ksp-group.co.jp/

■関連リンク
SUPERIAサーマルCTPプレート「XP-F」の詳細はこちら

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