株式会社 BRITZ様
大サイズのターポリン出力で、
圧倒的な高画質・高生産性を発揮
内製化率が大幅に向上、短納期要求への柔軟な対応が可能に

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株式会社BRITZ様事例紹介MV

Acuity Ultra/Acuity LED 1600R導入事例


株式会社BRITZ ロゴ サイン・ディスプレイを中心としたインクジェット出力を手がける株式会社BRITZ(本社:東京都新宿区新小川町4-7、代表取締役社長:三橋裕司氏)は、2021年1月、3.2m幅のスーパーワイドフォーマットUVインクジェットプリンター『Acuity Ultra』を導入。超広幅のターポリン出力の内製化・生産性向上を図った。また7月には、1.6m幅の『Acuity LED 1600R』も導入し、ウィンドウ装飾フィルムの出力などに活用している。両プリンターの導入の経緯やメリットについて、代表取締役 社長・三橋裕司氏、常務取締役 事業統括部長・我妻朗次氏に伺った。


■実機見学で画質の高さに衝撃を受ける

 BRITZは、2016年に設立され、東京・飯田橋を拠点に、各種サイン、販促物、装飾物のインクジェット出力・加工・施工を手がける新進気鋭の企業だ。出力機4台で事業をスタートし、設備増強を図りながら堅調に成長を続けている。クライアントは、大手企業からベンチャー企業、自治体、各種団体と幅広く、直接の受注先は広告代理店や印刷会社が多い。昨年7月には本社工場を拡張し、生産体制を一段と強化。現在、インクジェット出力機9台のほか、カッティングマシン、ラミネーター、工業用ミシン、ハトメ打ち機などの多彩な加工機を揃える。
 同社の大きな強みは、クライアントの多様な要望に応える、柔軟な対応力だ。UV・溶剤・ラテックス・水性顔料と各種方式の出力機を備える充実した設備環境、そしてクライアントとのコミュニケーション力、社内のチームワークの良さなどがそれを支えている。
「設備については、お客さまのご要望に応えるうえで最も適していると思うものを導入しています。どのプリンターも、特定の用途に限定されているわけではありませんが、やはり得意不得意がありますから、当社は各プリンターの最も得意な部分を活かすようにしています」(三橋社長)
 そんな同社がAcuity Ultraを導入した最大の狙いは、外注に出していた大サイズのターポリン出力を内製化することだった。我妻常務はその背景をこう説明する。
「これまで、社内で対応できるのは1.6m幅までで、それ以上のサイズは外注に出していました。社内で出力する場合は溶剤インクのプリンターを使用していたのですが、ターポリンの仕事は、出力後にミシンで縫製する作業があり、その際にインクの乾燥が不十分だとインク膜が剥がれやすくなるので、縫製までに時間がかかることも難点でした。こうした課題があり、スクラッチ耐性に優れたUVインクジェットで、1.6m以上のサイズまでカバーできるプリンターの必要性を感じていたのです」
 そんな中、FFGSからの提案でAcuity Ultraの実機を見学。
大阪のショールームで3.2m機を見学させていただいたのですが、その画質の高さに衝撃を受けました。スーパーワイド機でこんなに高精細な出力ができるのかと。しかもスピードも速い。いくら高画質でもスピードが遅くては使えませんが、これだけの生産性があれば、大きな戦力になると感じました」(三橋社長)
 コロナ禍で新規受注が厳しい状況ではあったが、そんな中だからこそ、社内の生産体制の強化を図ろうと、導入を決断。三橋社長は、導入の決め手について、画質や生産性の高さに加え、サポート体制の安心感もポイントになったと語る。
日本のメーカーさんがサポートしてくれるというのは、やはり安心感がありますよね。とくに富士フイルムさんは、昔から写真画質を追求している会社で、品質管理に関する知見もある。システム自体の性能ももちろん大事ですが、メーカーとしての信頼性も、設備選定では重要な要素だと考えています」(三橋社長)

Acuity Ultra

同社保有のインクジェットプリンターでは最大サイズとなるAcuity Ultra


■白打ちでも高生産性が維持でき、出力時間が一気に短縮

 今年1月に設置し、翌月から本格稼働を開始したAcuity Ultra。立ち上げから大きなトラブルもなく、ターポリン出力を中心に、順調に稼働している。
たとえば、映画のバナーや、銀行の店舗に掲示するメッシュターポリンの広告バナーなどは大サイズのものが多く、もっぱらAcuity Ultraで出力しています。これらの仕事を内製化できたのは大きなメリットですね。ほかには、トロマットというポリエステル製の布素材に出力する仕事もあります」(三橋社長)
 Acuity Ultraの出力品質について我妻常務は、「非常に高精細で、まさに写真画質」と高く評価する。
「最近はスーパーワイド機の品質も以前に比べて上がってきている印象がありますが、その中でもAcuity Ultraは群を抜いて高精細だと思います。インクの粒子が3.5plと、スーパーワイド機としては圧倒的に細かい。仕事によってはオーバースペックかなと思うほどですね(笑)。また、白インクを高濃度かつ均一に打てるのも大きな魅力です
 三橋社長も、「品質と生産性を高い次元で両立できるので短納期にも対応しやすい」と語る。
「従来のプリンターでは、白を打つ場合はスピードが遅くなり、毎時30m2程度のプリンターで高品質な出力をすると平米あたり1時間ほどかかるのが普通でした。そこにCMYKの4色を重ねると2時間は当たり前。実際の仕事は20m、30mの長さがありますから、一晩、二晩かけて出すことも珍しくありませんでした。その点、Acuity Ultraの毎時181m2というスピードは次元が違いますね。短納期の要望にも確実に応えられます
 さらに、Acuity Ultraはランニングコスト面でもメリットが大きいという。
「たとえば光沢系の紙に出力する場合、水性顔料インクや溶剤インクでは高価な専用紙が必要になりますが、UVであれば、通常の印刷用コート紙が使えるので、用紙コストが大幅に抑えられます。コート紙に出力するものとしては、交通広告などのB0ポスターが挙げられますが、これまではそれほど多く受注していませんでした。これを機に、積極的にアプローチしていきたいですね」(我妻常務)
 我妻常務は、Acuity Ultraの稼働安定性についても「他社のプリンターに比べ、トラブルの頻度は格段に少ない」と評価するが、富士フイルムの技術サポート(実際には富士フイルムGSテクノが担当)に関してはこんなコメントも。
「とにかく徹底的にこだわって細部まで調整してくださるので、予定より時間が長くなってしまうことがあります(笑)。そのおかげでトラブルがなかなか起きない、という面もあると思うので、ありがたいのですが」


■フィルム出力用に白・クリア対応のAcuity LED 1600Rを導入

 Acuity Ultraの品質・生産性・安定性を実感した三橋社長は、同じくUVのロール機で1.6m幅の『Acuity LED 1600R』の追加導入を決定。7月に設置し、8月から稼働を開始した。
「昨年から定期的に受注している、ウィンドウフィルムの出力用に導入しました。当初は溶剤プリンターで出力していたのですが、お客さまからUVプリンターで出してほしいとご要望をいただいたのです。Acuity Ultraであれば白を打てるので、一時はUltraで対応していましたが、ターポリンの仕事とバッティングしてしまうことがあるのと、そこまでの大サイズは必要としないため、1600Rを選びました」(三橋社長)
 Acuity LED 1600Rについても、やはり「高画質・高生産性」が選定の決め手になったという。
品質と生産性のバランスを考えると、このクラスではAcuity LED 1600Rが当社の仕事に最も合っていると感じました。それに加えて、UV機で白インクとクリアインクに対応していることも大きなポイントですね。白インクの濃度はAcuity Ultraよりも高く、しかも白の上にCMYKを重ねる際、他社のプリンターのようにメディアを巻き戻したりする必要がなく、ワンパスで出力できるのも魅力です」(我妻常務)
 店舗のショーウィンドウなどの装飾用フィルムでは、白を使うケースが多いことから、Acuity LED 1600Rの強みが如何なく発揮されているという。

Acuity LED 1600R

フィルム出力をメインに活用するAcuity LED 1600R


■2丁がけ出力も駆使し、より幅広いニーズに応える

 Acuity Ultra、Acuity LED 1600Rという2台のUVインクジェット機によって、対応できる仕事の幅が広がり、内製化率も向上。作業面でも経営面でも明確なメリットが出ているというBRITZ。今後、これらのプリンターを活かし、さらなる受注拡大に取り組む考えだ。
「Acuity Ultraは、超広幅を活かした2丁がけ出力も可能ですから、より大量かつ低コストで製作が求められる仕事にも威力を発揮すると思います。通常6時間かかるところ、2丁がけで1時間で出力できるということになれば、納期も大幅に短縮でき、販売価格を抑えることもできますから、これまで以上に大きなメリットをお客さまに提供できるようになります」(三橋社長)
 また、Acuity LED 1600Rについては、クリアインクを活用したアプリケーションの提案にも力を入れていくという。
具体的な用途としては、ウィンドウに貼る目隠しフィルムなどを想定しています。お客さまに口頭だけでご説明しても伝わりにくいので、いま、さまざまなサンプルを作成しながら提案を進めているところです。クリアインクは当社にとって、新しい差別化ツールになるものと期待しています」(我妻常務)
 BRITZは、設立から丸5年と、会社としては新しいが、三橋社長も含めてサイン・ディスプレイ業界で豊富な経験を持つスタッフが揃った技術者集団でもある。2台のAcuityをはじめとする最新設備のポテンシャルを最大限に引き出しながら、今後も、抜群のチームワークで、クライアントの思いに寄り添ったモノづくりを追求し続ける。そして、持ち前の発想力を活かし、クライアントの期待の先を行く、新たな商材の開発にも積極的に取り組んでいく。


■お客様プロフィール
株式会社 BRITZ
住所: 東京都新宿区新小川町4-7 アオヤギビル1F・B1F
URL: http://britz.biz/

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