中央印刷株式会社様
顧客の業務効率化に貢献すると共に、
営業エリア拡大の武器に
コロナ禍で制作担当者の在宅勤務など
柔軟な勤務体系が可能に

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中央印刷株式会社 XMF Remote導入事例_MV

XMF Remote導入事例


 鳥取県の総合印刷会社、中央印刷株式会社(本社:鳥取県鳥取市南栄町34番地、代表取締役:松下顕吾氏)は、2019年1月にワークフローシステムを富士フイルムの『XMF』へ更新すると同時にWebポータルシステム『XMF Remote』を導入し、クライアントの業務効率向上に貢献することで関係強化を図ると同時に、制作作業の効率化、制作部門の働き方改革、人為的ミスによるトラブルの削減などを実現している。導入の経緯や具体的な運用方法・メリットなどについて、代表取締役・松下顕吾氏、取締役常務・長谷修道氏、営業部・山田訓裕氏に伺った。

中央印刷株式会社外観

■M&Aと事業多角化で成長を続ける

 中央印刷は松下顕吾社長の祖父である松下弘氏が1953年に創業。顕吾氏は2016年に29歳の若さで3代目社長に就任した。同社の主な営業エリアは鳥取県東部で、受注先は、官公庁が約3割、新聞社や流通小売店など一般企業が約7割。企画からデザイン・制作、印刷・加工、発送まで自社で完結するワンストップ体制を確立し、印刷設備は、B2輪転機、枚葉機、帳票印刷機、シール印刷機、POD機などを幅広く揃える。印刷事業の主軸は商業印刷で、さまざまなキャンペーンやイベントのポスターやチラシなどを手がけるほか、地元の新聞社の折込チラシの受託印刷や帳票類、シール・ラベル、パッケージなどにも対応している。
 人口減少が進む鳥取県では、折込チラシなどの印刷物の需要減少が見込まれるため、同社は、経営難・後継者難の同業者からの事業譲受やM&Aを通じて売上・利益を伸ばす戦略をとってきた。最近では、製本業の共栄製本株式会社、表紙貼りを手がける鳥取紙工株式会社などのM&Aを実施している。
 さらに、印刷以外の分野への事業拡大も積極的に進めており、2021年には新規事業として農業部門を立ち上げ、『茲矩(これのり)しょうが』の生産・販売を開始。自社の成長だけでなく、地域活性化も視野に入れながら新たな挑戦を続けている。

『茲矩しょうが』の新規事業の企画や商品パッケージ

『茲矩しょうが』の新規事業は商品企画やパッケージ制作も社内で一貫して手掛け、ラインアップを増やしている。

■抜群の使いやすさが導入の決め手に

 XMFおよびXMF Remoteの導入は2019年1月。長年運用してきた他社製ワークフローシステムが、更新時期を迎えたのが検討のきっかけだった。XMFを含め複数の製品を比較検討したが、その中でXMFを選んだ大きな理由が「操作のわかりやすさ」であったという。
「たとえば、XMFの面付け機能では、ページ数の多いジョブでも、簡単操作で素早く複数ページの面付けが行なえます。それに対して、他のシステムは、操作が難しく、現場のオペレーターが使いこなせるようになるまでに時間がかかりそうな印象でした。複数のオペレーターが使うことを想定すると、XMFが最も当社に合っていると考えたわけです」(長谷常務)
 また、ワークフローシステム更新にあたり、検版の方法についても検討を重ねた。そこで着目したのがXMF Remoteの自動検版機能だ。
「以前から検版システムは使用していましたが、サーバー本体でしか作業できなかったため、検版の際にはサーバーの席に移動する必要がありました。また、動作も重く、表示にかなり時間がかかるなど、日常的には使用しにくいシステムだと感じていたのです。しかしXMF Remoteは、自分の席に居ながらブラウザ上で検版でき、しかも表示も速く見やすい。これならお客さまにも使っていただけるのではないかと感じました」(長谷常務)
 優れた操作性・運用性が決め手となり、同社はXMFとXMF Remoteを同時に導入。現在、商印ではXMF Remoteの全ジョブ運用により毎月の約800件の新規ジョブが登録されている。ジョブ登録は原則として制作担当者が行ない、刷版出力担当者が面付け・出力指示を行なうというフローになっている。

■入稿・校正時のクライアントの負荷軽減に貢献

 オンライン入稿・校正でのXMF Remoteの活用については、定期的に仕事を受注している主要クライアントを中心に提案を行ない、業務効率向上などのメリットを訴求している。とくに、官公庁の広報誌や新聞社、流通関係のチラシなどで採用が進んでいるという。
「ある広報誌の仕事では、お客さまにメールのやり取りを削減できる点などをご説明したところ、すぐに採用いただけました。以前は、1回の仕事で20本前後のメールのやり取りがあり、お客さまも私どもも、その整理が大変でした。しかし、XMF Remoteでは、必要なデータを各ジョブのフォルダにまとめて格納でき、コメントもジョブごとに確認できるので、履歴を探す手間や時間が大幅に削減でき、双方の作業負荷が確実に減っています」(長谷常務)
 また、校正のやり取りもスムーズになった。修正などの進捗状況を関係者がリアルタイムに把握でき、修正データをXMF Remoteにアップすると通知も届くため、クライアントはすぐに確認することができる。無駄な待ち時間が削減され、制作工程の時間短縮につながっているのだ。
 データ入稿においても、XMF Remoteによる時間短縮効果が生まれているという。営業部の山田氏は、自身が担当する新聞社の例を挙げる。「たとえば300ページほどのカラー冊子を入稿していただく場合、データ容量が20GBほどになるので、いままではUSBメモリや外付けハードディスクなどでいただいていました。この方法では、お客さまがデータをメディアに保存し、それを持ってきていただき、当社でデータを読み込むまでに、5時間ほどかかることもありました。これが、XMF Remoteのファイル転送機能を使うことで、わずか30分で済むようになっています」

■重要顧客の名刺発注においても有効活用

 もう一つ、XMF Remoteによりクライアントとの関係強化を図っている例として、名刺の発注管理に活用しているケースもある。
社員数80~90名ほどのお客さまなのですが、全社員の名刺データを常にXMF Remoteにアップしておくことで、部署名などの記載内容が最新のものになっているか、いつでも確認していただける状態にしています。必要があれば修正指示とともに発注をかけていただく。これにより、お客さまの名刺発注担当の方の負荷が大幅に減り、とても喜んでいただいています」(山田氏)

Remote1

■デジタル検版で「意図しない変更による事故」を完全防止

 一方、社内的な導入効果としては、デジタル検版機能の活用によるミスの削減が挙げられる。とくに、制作部門での「意図しないデータ変更」によるトラブルを未然に防げるメリットは大きい。
「実際、出力前にXMF Remoteで検版を実行した際に、修正指示以外の箇所が変わってしまっていたことに気づいたことが何回かありました。現在では、デジタル検版によるチェックを徹底することで、こうしたミスによる事故はゼロになっています。損金も発生しなくなりましたし、大切なお客さまの信頼を失うような事態を防げるようになったのは、大きなメリットだと思います」(長谷常務)
「導入前は、原稿に修正が入るとデザイン部で“読み合わせ”を行なってチェックしていました。1つの原稿を2人で時間をかけて確認していくのですが、XMF Remoteのデジタル検版を使うようになってから、この読み合わせの回数も大幅に減り、効率的になりました。とくにチラシなどは、多いもので7校まで行くこともあるので、検版の効率化だけでもかなりの時間短縮になります」(松下社長)

Remote2

 さらに、XMF Remoteは、制作部門の働き方改革にも貢献している。同社では、制作担当者がクライアントと直接やり取りするケースが多いが、XMF Remoteの導入によって、意思疎通が速く正確に行なえるようになり作業効率が上がったことに加え、在宅勤務も可能になった。
コロナ前にXMR Remoteを導入していたので、仕事の内容に応じて、社員が在宅勤務を選択できる環境が整ったことも、大きな導入効果の一つだと思います。XMF Remoteがなければ、制作担当者はデータ入稿のたびに出社することになり、コロナ禍での完全在宅は実現できなかったでしょう」(松下社長)

■XMF Remoteのメリットを活かせる分野でさらなる受注拡大を

 中央印刷では、XMF Remoteは他県や遠隔地の新規開拓においても強力な武器になると考えている。たとえば、スーパーのチラシなどは、校正回数が多く、細かい修正も多い。また、翌週のものなど複数のチラシ制作が並行して進むこともある。こうした特性を持つチラシの仕事は、XMF Remoteのメリットが活かされやすい。
「オンライン校正で、修正指示に即時対応できる点などを訴求すれば、近隣県のスーパーなどでも新規受注につなげていけるのではないかと考えています」(山田氏)
 山陰地区に軸足を置きながら、新規顧客開拓を積極的に進め、受注拡大に取り組む中央印刷。松下社長は今後の戦略について、「地域性を踏まえた事業展開で、成長を目指したい」と語る。
「いま、成長戦略の柱としているのは、事業の多角化とM&Aです。人口減少が進む地域で、また、ペーパーレス化やオンライン化によって紙の印刷物も減少する中で売上を伸ばし続けていくには、印刷物製作に限らずお客さまのあらゆるご要望に応えられる体制が必要と考えます。同時に、M&Aや事業譲受によって、新たな技術、新たな顧客接点を増やし、XMF Remoteのようなツールで、お客さまとの関係強化を図っていく。こうした取り組みを通じて、お客さまや地域の発展とともに成長していきたいと思っています」(松下社長)


■お客様プロフィール
中央印刷株式会社
住所:鳥取県鳥取市南栄町34番地
URL:https://torinet.co.jp/

■関連リンク
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