株式会社宮崎南印刷様
広報誌から記念誌、新聞広告まで、多様な仕事で効果発揮
オンライン校正が新たな強みとなり、コンペで受注獲得の決め手に

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株式会社宮崎南印刷様事例紹介_メイン画像

XMF Remote導入事例


株式会社宮崎南印刷様_社屋外観株式会社宮崎南印刷(本社:宮崎県宮崎市大字田吉350-1、代表取締役社長:大迫雅浩氏)は2017年に『XMF』および『XMF Remote』を導入し、広報誌やパンフレット、記念誌、新聞広告、フリーペーパーなどさまざまな仕事で活用している。『XMF Remote』は現在約100社のクライアントと運用しており、顧客満足度向上につながっているという。導入の経緯や具体的な活用戦略、効果などについて、代表取締役社長・大迫雅浩氏、営業部 部長・中川秀文氏、デジタル管理部 部長・清川進氏に伺った。

■クライアントに提案しやすく、会社全体で使えるシステム

宮崎南印刷は1966年に設立された総合印刷会社。現在は宮崎県内全域を商圏として企画・デザインから印刷・加工、発送までをワンストップで提供している。2018年には、同社を含むグループ企業9社を傘下に置く持株会社「ミナミグループホールディングス」を設立。グループ全体では、印刷・出版だけでなく、不動産事業やホテル事業なども展開する。
同グループの中で情報関連事業を担う宮崎南印刷は、紙媒体だけでなく、Webを組み合わせたサービスの開発・提供にも力を入れている。その一環として、2012年に地域特化型電子書籍ポータルサイト『miyazaki ebooks』を立ち上げ、翌2013年にはこのプラットフォームを活用してebooksの全国ネットワーク組織『Japan ebooks』を創設した。Japan ebooksは1都道府県につき1メンバー(加盟社)を基本とし、現在は28都道府県に拡大。メンバー間で地域の課題解決のための企画やツールの共有なども行なっており、宮崎南印刷は事務局としてその中心的役割を担っている。
一方、紙媒体としては、企業や自治体のパンフレットやPR誌などのほか、地域のフリーペーパーで自社媒体の『月刊Palm’s(パームス)』なども手がけている。
そんな同社が『XMF』『XMF Remote』を導入したのは2017年。大迫社長はその狙いについて、「営業面の新たな強みをつくること」と「社内の効率アップ」の2点を挙げる。
「以前は営業から現場までの流れの中で、ジョブの状況を一貫して確認できるシステムがなく、ジョブの進捗状況が社内全体で共有できていませんでした。また、厳しい価格競争の中、システム面で付加価値をつけて差別化を図ることが必要だと考えていました」(大迫社長)
もともと同社は他メーカーのワークフローシステムを使用しており、新たなワークフローRIPと共に、Webポータルシステムについても、そのメーカーから提案を受けたが、現場から「今後の展開を考えると『XMF』『XMF Remote』を導入したい」との意見が上がったことから、協議を重ねたうえで採用を決定したという。
以前使用していたメーカーから提案のあった新しいワークフローRIPは、機能面での進化がそれほど多くなく、これに更新しただけでは、この先も作業効率アップがあまり望めないのではないかと、現場は感じたようです。また、Webポータルシステムの方は、プリプレス担当者であれば使えるかも知れないが、営業やデザインのスタッフには使いにくく、これでは、お客さまにも提案しにくいのではないかと思いました。それに対し『XMF』『XMF Remote』は、FFGSさんの説明を聞く中で、将来にわたって、会社全体で活用できるシステムというイメージが見えてきました」(清川部長)

自社媒体の『月刊Palm’s(パームス)』などの画像

■検版機能で便利さ実感し、一気に社内に浸透

同社では『XMF』と『XMF Remote』を同時に導入したが、RIPを搭載したワークフローシステムの『XMF』への切り替えはスムーズに進んだ一方、『XMF Remote』は運用については、営業のモバイルPCの導入や通信環境整備などを進めたことで、運用を本格的に開始するのに1年ほどかかったという。大迫社長は、「通常の仕事を動かしながら、新しい運用ルールを決め、使い方を周知することが最初のうちは難しかった」と振り返る。しかし、推進リーダーの清川部長がXMF Remoteの機能や運用イメージを良く理解して、社内での勉強会やサポートを行なったことから、まず、制作部門での運用が定着し、営業展開も進んでいったと言う。これは、『XMF Remote』がデザイナーや制作スタッフにとって馴染みやすいシステムであることが大きかったという。
当初、このようなツールを使い慣れていないデザイナーや制作スタッフには、なかなか浸透しないかもしれないと懸念していました。しかし、検版機能などを実際に使うと、皆すぐに便利さを実感したようで、『これがないと仕事ができない』という声も聞かれるまでになりました。そこから一気に社内に広まりましたね。現在は月間約900ジョブのうち、約95%を『XMF Remote』に登録しています」(清川部長)
製版部門では、制作データを面付けした状態でプリントアウトできるリモートプリント機能を活用することで、面付けのミスを大幅に減らすことができた。同時に、検版にかける時間もかなり削減できたという。清川部長は、「現在はすべての仕事を『XMF Remote』でリモートプリントを行なって、面付けチェックしている」と語る。また、RIPの運用では、『XMF』の自動バックアップ機能を利用し、製版部門で全出力データを一括管理するなど、さまざまな面でワークフローの合理化を図った。
営業部門でも、業務効率が上がっていることを実感しているという。
紙ベースでのやり取りがオンラインになったことで、お客さまのもとに足を運ぶ回数が減りました。また、『XMF Remote』によるオンライン校正で、お客さまに確認していただくことが可能になったので、ミス・ロスも減っています。東京支社と本社の間では、リモートプルーフも行なっています」(中川部長)

『XMF Remote』によって、クライアントと営業、制作現場の進捗共有が可能になった画像

『XMF Remote』によって、クライアントと営業、制作現場の進捗共有が可能になった。

■オンライン校正という付加価値が受注の決め手に

『XMF Remote』によるオンライン校正は、コンペなどでも大きな武器になっているという。
ある団体の広報誌のデザインコンペでは、『XMF Remote』でオンライン校正ができるという付加価値が決め手となり、受注を獲得できました。その仕事は3年契約なのですが、次のコンペではオンライン校正が入札要件の一つになると聞いていますので、当社の強みを活かせると考えています」(中川部長)
『XMF Remote』の活用によって、クライアントの満足度も向上した。面倒な操作がなく、セキュリティ面も含めて、ストレスなくファイルを送受信できる点などが好評だという。
「『XMF Remote』はファイル容量に制限がないため、重いデータの入稿もスムーズになりました。また、最近は、セキュリティの関係でダウンロード圧縮ファイルの添付はNGという企業も増えていますが、『XMF Remote』を使えば、XMF Remoteへのアップロードやダウンロードでデータのやりとりができるため、お客さまに高い利便性を提供することができます」(中川部長)
また、PC環境の違いによるトラブルも削減できている。宮崎南印刷の制作部門はMac中心だが、クライアント側はWindows環境が多い。以前は、「Windowsで圧縮をしたファイルをMacで解凍できない」、あるいは「メールで転送した際に文字が化ける」などのトラブルが発生していたが、『XMF Remote』での入稿になってからはそれがなくなり、ムダなやり取りの削減につながっているという。

■クライアントに合わせた柔軟な運用で入稿・校正を効率化

現在、ファイル送受信など何らかの形で『XMF Remote』を活用しているクライアントは約100社、人数にして約300人。このうち約50社では、オンライン校正も行なっている。『XMF Remote』によるオンライン入稿・校正は、広報誌やパンフレットなどページ物のジョブが多く、とくに、複数の担当者がさまざまな場所で確認を行なうケースで、校正の効率化・時短効果が顕著に出ている。
ある団体の広報誌の仕事では、本部の他に拠点が6カ所あり、各拠点に1人ずついる広報担当者がそれぞれ原稿を作成・入稿しています。『XMF Remote』を使えば、入稿データを本部で取りまとめる必要もなく、各担当者が自分のペースで入稿できますし、すべての拠点で進捗状況を共有できるのも大きなメリットですね」(中川部長)
記念誌の仕事でも、『XMF Remote』のメリットが活かされているという。
「記念誌はページ数が多いうえ、ご担当の方が何十人もいるケースもあり、一つのストレージで入稿データをやり取りすると混乱するので、部署ごとやページごとにフォルダを分けて入稿データをやり取りする方法で進行しました。このように柔軟な対応ができるのも『XMF Remote』の魅力ですね。その結果、データのやり取りが非常にスムーズに行なえました」(中川部長)
同社の『XMF Remote』の活用範囲は幅広く、フリーペーパーや新聞広告などでも運用している。フリーペーパーにおいては、主に広告の小組み単位での校正を『XMF Remote』で行ない、最終的にそれらをInDesignのページデータに貼り込んで組み上げている。新聞広告では、最終校了後に新聞社に納品するデータの送付も『XMF Remote』を使っているという。
「新聞広告でも使えるということは、私から制作スタッフに伝えたわけではないのですが、さまざまな仕事で『XMF Remote』の使い勝手の良さを知ったデザイナーたちが、その経験を応用して積極的に使っているようです」(清川部長)

■経営の方向性を決めるうえでも欠かせないツールに

同社では今後、営業部門における『XMF Remote』の活用をさらに浸透させることで、より多くのクライアントにオンライン校正による業務効率化を提案していきたいと考えている。コロナ禍でリモートワークが広がり、オンラインでのコミュニケーションのニーズは間違いなく高まっているが、現状では、オンライン校正ツールの存在がクライアント側にあまり認知されていないため、まだ同社への問い合わせもそれほど多くないという。
「営業全員に、『XMF Remote』の利便性や有効性の理解を深めてもらい、それをお客さまに的確に伝えられるようにすることが課題ですね。そして、“オンライン校正といえば宮崎南印刷”と思っていただけるよう、認知を広めていきたいと考えています」(大迫社長)
また、大迫社長は、『XMF Remote』の活用実績をさらに増やすとともに、運用ノウハウなどをJapan ebooksのメンバーと共有することも視野に入れている。先述のように、Japan ebooksでは加盟社間での企画や提案ノウハウなどの共有に取り組んでおり、その活動の一環として、『XMF Remote』の導入・活用についても情報共有を進めていく考えだ。
大迫社長は最後に、経営の方向性を決めるためのツールとしても『XMF』『XMF Remote』を有効に活用したいと力強く語った。
「今後の会社経営において、経費の削減はもちろん大きな課題ですが、中でも、人員の削減ではなく、作業量を削減するという意味での人件費の削減が、非常に重要になります。その中で、『XMF』『XMF Remote』を活用してその効果を検証しながら方向性を決めていくことが有効ではないかと考えています。現場や営業にとっても、そして私たち経営陣にとっても、『XMF』『XMF Remote』はなくてはならないツールになっていると感じます」


■お客様プロフィール
株式会社宮崎南印刷
住所: 宮崎県宮崎市大字田吉350番地1
URL: https://minami-p.co.jp/

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