アド印刷株式会社様
全事業所の制作スタッフ70名によるXMF Remote全ジョブ運用が定着
検版徹底により印刷事故を削減し、顧客との信頼関係構築にも貢献

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アド印刷株式会社様事例紹介MV

XMF Remote導入事例


アド印刷会社様 社屋外観 アド印刷株式会社(本社:福岡県福岡市博多区榎田1-3-23、代表取締役:田平保男氏)では、2012年、いち早く富士フイルムのWebポータルシステム『XMF Remote』を導入。全ジョブ運用を定着させて、制作スタッフ全員がデジタル検版機能の活用を徹底することで、印刷事故の大幅な削減を実現するとともに、オンライン校正を活かした迅速な顧客対応などを行なっている。導入に至った経緯や具体的な活用方法、メリットなどについて、取締役副社長・京谷秀則氏、取締役・古賀照也氏、制作部 部長・徳久寛信氏に伺った。


■印刷物とWebを組み合わせた販促支援をワンストップで

 アド印刷は、代表取締役の田平保男氏が1978年に創業。現在、従業員約200名、年商約71億円で、九州地区の印刷会社ではトップクラスの売上規模を誇り、ダイレクトメール(DM)を核とした販促支援サービスで着々と得意先を増やし、堅調に売上を伸ばし続けている。福岡の本社に加え、生産拠点として大刀洗工場と福岡工場、営業拠点としては、福岡本社の他に、東京支社、大阪営業所、鹿児島営業所を持ち、全国をカバーする営業体制を確立している。
 同社の大きな強みの一つは、20年以上にわたり培ってきた、ダイレクトマーケティングに関する顧客支援サービスのノウハウだ。この強みを活かし、九州地区に多い健康食品関係の通販会社をはじめ、さまざまなクライアントの販促支援を手がけている。
 DMの事業は十数年前から同社の成長戦略における中核事業となっており、本社近くにはDM専門の工場を設け、最新・高性能のオンデマンド機を24時間体制で稼働。個人情報を扱うためセキュリティについても万全の環境を整えている。
 近年では、クライアントの販促活動の効果を最大化するため、折り込み広告、ダイレクトメールなどの印刷メディアだけではなく、Webマーケティング手法などを組み合わせた複合的なソリューションを提案するケースが多くなっている。
「Webソリューションを担当する事業部は、現在、営業、デザイン制作、コーディングなど含めて総勢23名の規模で、Web広告やECサイトの構築、Webを活用した販促支援、印刷物とWebとの連動企画などを幅広く手がけています。Webソリューションは当社事業の大きな柱になっており、収益も良く、今後も伸ばしていきたい分野です」(古賀取締役)

 クライアントにとっては、以前は別々の会社に発注していた印刷物とWeb制作、あるいは動画などの制作を、アド印刷に一括して発注でき、複数のメディアを連動させた販促施策も展開しやすくなった。この、印刷とWebソリューションのワンストップ対応は、クライアントの売上アップに貢献しており、その実績が評価されて同じクライアント企業の別部門からも声がかかるなど、クライアント内でのシェア向上にもつながっているという。
「当社は印刷会社ではありますが、実は最初の受注がWeb関係の仕事で、そのつながりで印刷物の仕事にも発展するというケースが多くあります。とくに官公庁ではそのような展開が増えていますね」(京谷副社長)

Webソリューション部門の作業風景

Webソリューション部門


■将来を見据えた新たなワークフロー構築を検討、チーム全員一致でXMF導入を決定

 2012年、将来を見据えた新たなワークフローの構築を会社の重要テーマと掲げ、検討チームを発足すると共に、古賀取締役、徳久部長と営業部長のメンバーが欧州へ出張し、drupa2012を視察するなどして、Webポータルシステムを含むワークフローシステムの動向や各メーカーの最新情報を収集。帰国後、制作や営業などのメンバー30名で検討チームをつくり、富士フイルムのXMF/XMF Remoteを含め、3社のワークフローシステム(webポータルシステムを含む)の評価・検証を徹底的に行なった。各ワークフローシステムを比較検討するにあたって、それぞれのシステムを自社の社内ネットワークに組み込んで、2~3カ月かけて実際のジョブを登録して、UI(ユーザーインターフェイス)や操作性などを検証したという。その際、同社の課題であったデータ制作時の人為的ミスに起因する印刷事故の削減や、作業時間の短縮、承認プロセスを含めたジョブ進捗管理の効率化などの観点から、総合的な評価を行なった。

評価の結果、30名の検討チームメンバー全員の意見が一致し、新たに運用するワークフローRIPにXMFの採用を決定し、webポータルシステムとしてXMF Remoteの同時導入も決まった。従来使用していた他社製のワークフローから、富士フイルムのXMFに切り替えることを決断した一番のポイントは、XMF Remoteに対する高い評価であった。
「他社のwebポータルシステムでは、制作オペレーターが基本的な操作方法を把握するのに時間がかかり、重要な評価項目であったデジタル検版機能の検証までたどり着くことができませんでした。それに対してXMF Remoteは、マニュアルをほとんど見なくても直感的に操作でき、非常に使いやすい。これが選択の大きな決め手になりました。やはり作業担当者がすぐに使いこなせないようでは運用を定着させられませんし、お客さまにもなかなか採用していただけませんから、迷う余地はありませんでしたね」(古賀取締役)
「当時、新しいインターネット端末として、iPadが登場していましたが、この時点で既に、XMF RemoteはiPadでも使用できるようになっていて、パソコンだけでなく、このような端末でなら、多くのお客様に使っていただけると実感しました」(徳久部長)

 同社ではこのタイミングでワークフローRIPを他社システムから『XMF』に切り替え、半年ほどでRIPの運用をXMFへと完全に移行。また、導入から1年ほど経った時点では、すべての制作ジョブをXMF Remoteに登録して進行する全ジョブ運用を達成した。その後、営業拠点が広がり、現在、制作部門の人員は3拠点(福岡・東京・大阪)で計70名もの規模となったが、制作スタッフ全員がXMF Remoteを活用してDTP業務を進行している。全事業所合計で毎月800件以上の新規ジョブの登録があり、月度をまたいで進行している仕事まで含めると、常に、1,500~2,000件/月のジョブがXMF Remoteに登録されている状況だ。

同社は、XMF Remote活用の主たる目的を「社内のミス削減、作業効率化」に置いて、全ジョブ運用の定着を進めてきたが、並行して、主要クライアントとのオンライン校正での活用シーンを広げており、最近では、クライアントへの提案用に、ログインから校正、修正指示までの操作説明動画を自社で作成するなど、顧客との間で、よりスムーズに運用に入れる体制を整えている。

「説明動画によって、お客さまに実際の使用方法をイメージしていただきやすくなり、採用へのハードルはかなり低くなっていると思います。とくに、校正担当者が若い方の場合は、オンライン校正への抵抗感も少なく、受け入れていただきやすいと感じています」(徳久部長)

XMF Remoteの操作画面

XMF Remoteの優れた操作性は、クライアントからも好評を得ている


■「意図しないデータ変更」によるトラブルを確実に防止

 現在、同社では、クライアントとのオンライン校正では、基本的に制作スタッフとクライアントの担当者がXMF Remote上で直接やり取りを行なっている。また、営業スタッフは、担当するジョブの進捗確認、下版前の最終確認および下版指示などをXMF Remote上で行なう。

 XMF Remote導入の最大のメリットは、デジタル検版機能を活用して、制作工程での「意図しないデータ変更」による事故を確実に防げるようになったこと。すべてのジョブで、下版前にXMF Remoteによる検版を行なうよう、最終確認を徹底している。
「指示していない部分が変わってしまうトラブル、とくに、校了後のデータ変更というのは、言うまでもなく絶対にあってはならないことで、お客さまとの信頼関係を一瞬で失いかねない事故です。実際に、過去にはそれが原因で契約解除問題にまで発展したこともありました。しかしながら、これまでは、このような事故はなかなかゼロにできなかったのです」(京谷副社長)

 人が作業する以上、ミスを完全になくすことは困難で、現在でも“意図しない変更”は年に1~2回起こるという。しかし、デジタル検版によってすべて下版前に発見でき、トラブルに至ることはなくなった。
XMF Remoteのデジタル検版機能で全数チェックすれば、こうしたミスは100パーセント見つかります。この機能のおかげで安心して下版できるようになりました」(徳久部長)
 また、徳久部長は、すべてのジョブをXMF Remoteに登録することで、クライアントからの問い合わせに素早く対応できるようになったこともメリットの一つだと語る。
「たとえば、『原稿の何ページのこの部分を確認してほしい』とお客さまからお問い合わせをいただいたときに、以前は、手元に原稿がないため、すぐに確認できないことがありました。現在では、いつどこにいても、場合によってはスマホからでも、XMF Remoteに上がっている制作データを確認することができます。これにより、お客さまへのレスポンスが格段に早くなりました」(徳久部長)

 さらに、クライアントが制作データを確認する時間を、より長くとれるようになったことで、校正の精度も高まっているという。
「以前は、校正用のPDFをお送りし、お客さまにそのページだけ確認して戻していただくという流れでしたが、XMF Remoteでは、修正したページ以外の原稿も常時見られる状態になっているので、校正の際に他ページもご確認いただいて、『この修正はこういう意図ではなかった』などの指摘をいただけるようになりました」(徳久部長)
 これも、修正前後の差異や変更履歴、各ページのステータス(校了、未承認など)がひと目でわかるXMF Remoteの「見やすさ・使いやすさ」による効果と言えるだろう。
とくに冊子などのページ物の校正ではメリットが大きいですね。お客さまにも好評をいただいています」(古賀取締役)

制作部門全景画像

XMF Remoteの活用は、事故防止だけでなく、クライアントとの関係強化にも大きく寄与している


■XMF Remoteで信頼関係を強化し・新規顧客開拓の営業活動を展開する

 アド印刷はいま、Webの仕事を切り口として印刷などの仕事につなげていくという展開を通じて更なる事業の拡大を目指している。この背景には、潜在顧客である官公庁や企業が、コロナ禍を受けてWebでの情報提供などに力を入れ始めていることが挙げられる。来年以降には5Gの普及も見込まれることから、同社は動画制作にも、さらに力を入れていくとしている。
 一方、印刷物の制作においては、XMF Remoteの活用による、既存クライアントとの関係強化や新規開拓を今後も進めていく。
「以前、当社のお客さまに、あるソフトウェアの会社からオンライン校正システムの提案があったそうです。そこで、当社の営業があらためてお客さまに『当社ならXMF Remoteでこんな形でオンライン校正ができます』とご提案したところ、採用していただけることになり、関係をさらに強化できた、という例があります。やはりXMF Remoteの活用は、制作進行面のメリットももちろんですが、お客さまとのつながりを強くする、営業面・経営面のメリットも大きいと感じています」(古賀取締役)
 今後、複数店舗を展開する企業や、フランチャイズ企業など、オンライン校正による大きな効果が見込めるクライアントを中心に、積極的に提案していく考えだ。
お客さまにとって本当に有効なもの、必要なものを見極めてご提案し、一緒に成長していくというのが、当社の基本姿勢です。そのための重要なツールとして今後もXMF Remoteを活用し、お客さまの企業成長に貢献したいと考えています」(京谷副社長)


■お客様プロフィール
アド印刷株式会社
住所:福岡県福岡市博多区榎田1丁目3番23号
URL: https://www.ad-printing.co.jp/

■関連リンク
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